2012/03/13

なにがしかの途中

◆3月11日、取材を終えて一緒にランチをとった編集のKさんが、昨年「THE MANZAI」の密着取材でチームを組んだ写真家の田代一倫くんがニコンサロンで写真展をしていることを教えてくれた。
展示は明日までという。
ニコンサロンの入っている新宿エルタワーは自転車の帰り道でもあるし、寄らない手はない。
と、その前に3月31日に閉店する三越アルコットのジュンク堂新宿店にも寄ってみる。
「本音を言えばこの本を売りたかったフェア」
……本音を言えば? そうか、それほどまでに本音は難しかったか。
あの本やこの本、いっぱい入っている。
「のちほど14時46分から1分間、黙祷をします」と館内放送。

三越を出て、新宿駅そばの駐輪場で自転車に乗ろうとしたのが14時20分。
この時点ではじめて気づく。
よく考えたら、いまから向かうエルタワーって、昨年の震災の瞬間にいたビルじゃないか。
しかもこのまま行けば時間もドンピシャである。
ちょっと不気味であるが、深く考えてもしょうがない。

田代一倫写真展「はまゆりの頃に」。
被災地で出会った人たちのポートレイト。展示とは別に、春夏秋冬と分けられたファイルにも、膨大な人数のポートレイトが、キャプションともに収められていた。
どの写真もなにかの途中な感じがしてよかった。
このあとどこに向かうんだろう。ちょっとそこまで。簡潔なキャプションからほのかに漂うユーモア。

気がついたら、その時間をすぎていた。
長い一年だった。
確定申告してみて、ホント休みすぎたわーと実感する。
その一方で、いろんな人たちとしゃべりまくった。
それでよかったのだと思う。

◆最近のめぼしい原稿仕事など――

・いましろたかし先生の最新コミック『原発幻魔大戦』(エンターブレイン)にて、巻末の田中康夫さんといましろ先生の対談の取材・構成を担当しています。以下、帯ウラの内容紹介より。
釣り人たちの日常を淡々と描いていた、いましろたかし。だが、3・11以降の政府、メディア、官僚、財界の余りのデタラメぶりにいてもたってもいられなくなってしまい、連載内容を突然、大転換!! 漫画を通して普通の生活者の目線から、原発そしてTPPに異議を申し立てた!! さらに実際の国会では、いかなる状況になっているのかを訊くため、現役国会議員・田中康夫氏にインタビューを敢行!!
言うまでもなく、ぜったいに読んでほしいのココロです。

・前号ですが、『新潮』3月号に「『三月の5日間』と胎動する熊本」というタイトルでエッセイを書きました。文字どおりチェルフィッチュ「三月の5日間」の100回記念公演を中心に、坂口恭平のゼロセンターのことなどにも触れています。

・『SPOTTED701』最新号に、真利子哲也監督の変則的なインタビュー原稿を書いています。また、まもなく始まる「MOOSIC LAB 2012」の予想座談会にも参加。森直人さんと侘井寂子さんと好き勝ってしゃべっています。もちろんどの作品にも期・待・大!
なお、今号はこちらより無料でダウンロード可能です。ぜひ~。

・発売中の『サイゾー』3・4月合併号のカルチャーコーナーでは、〈変身〉を切り口に、大畑創監督『へんげ』、劇団サンプル、仮面ライダーフォーゼの3点を紹介。
『サイゾー』は次号休みでリニューアルするそうです。

・発売中の『クイック・ジャパン』vol.100では、キーパーソン特集で小説家の樋口毅宏さんと杉浦昭嘉さんによる"太陽を盗んだ"作家対談を担当。また、「イラっとくる韓国語講座」(テレビ東京)の河本準一さん&大場Dインタビュー、『音楽が終わって、人生が始まる』が最高だった磯部涼インタビュー、快楽亭ブラック師匠の新刊『立川談志の正体:愛憎相克的落語家師弟論』の書評などいろいろ書いています。
『クイック・ジャパン』も次号でリニューアルとな。

・発売中の『アクチュール』3月号では、俳優の大倉孝二さんにインタビュー。10代の頃からナイロンを観てきた身には、大倉さんの「くだらないことをやりたい!」という熱い思いがめっさ沁みました。

・その『アクチュール』の舞台版ムック『アクチュール・ステージ』vol.03では、ザ・コンドルズの近藤良平さんのインタビュー、ミュージカル「モンティ・パイソンのスパマロット」と五反田団「びんぼう君」の劇評などを書いています。どの原稿も読んでもらえたらうれしいですが、とくに五反田団の劇評をきちんと書くのは「ふたりいる景色」以来で、ちょい気合いが入りました。

・やはり発売中の『シアターガイド』では、THE SHAMPOO HATの赤堀雅秋さんにインタビューしています。新作公演「一丁目ぞめき」は震災に向きあったものになりそうとのこと。詳しくは本文をぜひ。

・フットウェアメーカー「ビルケンシュトック」のブランドブックで立川志らく師匠にインタビューしています。じつは『ユリイカ』立川談志特集号の取材と同じ日に、続けて話をうかがいました。こちらのテーマは「ファミリーツリー」。志らく一門が勢揃いした写真もよいです。

・『KAMINOGE』vol.3、連載コラムでは山下書店・東京ドーム店の閉店に関連して、高木三四郎さんと本屋プロレス、それから「新文化」編集長(当時)として本屋プロレスを取材してくれた石橋毅史さんの畢生の書『「本屋」は死なない』のことなどを書きました。
ジュンク堂新宿店も最後に店内でプロレスをやるべき! 本音を言えば!





・ホライズン山下宅配便のブライトなシングル盤「期待」に推薦コメントを寄せました。
レコ発イベント「ホライズン山下宅配便のレコ発なのでしまうまが歩きます 吉祥寺から新宿まで」にも司会で参加。もっと言うと、PVでもちょこっと踊っております。ちなみに撮影はジェローム・ベルの『ザ・ショー・マスト・ゴー・オン』を観劇した翌日に行われました。



◆「アーバンソング #06」にご来場のみなさま、すばらしい演奏をしてくれた笹口騒音ハーモニカとスカートのお二人、ありがとうございました!

アーバンな雰囲気に呑まれそうになったスカート・澤部氏が「ガラスの十代」の熱唱で、むしろ逆に呑み込んだ瞬間が最高でした。
脱臼するMCと鋭い歌世界が寄せては返す笹口騒音ハーモニカの世界もひさびさに堪能。「あんたにまつわるエトセトラ」もついにライブで聴くことができた。感謝!