2011/10/10

YIDFF 3日目

◆もうホントあれだ、映画みて、移動して、映画みて、移動して、夜、飲んで、時間がない。
でも映画みまくって、作り手も観客も一緒くたに飲みながら朝まで議論て、どんな桃源郷かと。

◆でもって山形国際ドキュメンタリー映画祭、3日目の備忘録。

・『密告者とその家族』 監督:ルーシー・シャツ、アディ・バラシュ
どう考えても絶望しかない状況でそれでも生きていく、なんて言葉にすると白々しいが、それでもここまで丁寧に事情に分け入って見せられると、その胆力に心を揺り動かされざるをえない。
主題化こそされていないが、子供たちの躍動を見ていると、カメラで撮られていること自体、彼らにとってわずかな希望なのかもしれない。

・『殊勲十字章』 監督:トラヴィス・ウィルカーソン
「やっべ、死ぬかと思ったけど、運がよかったわ~」っていう親父の微笑ましい雄弁だけでも十分に批評的なのだが、さらにそれを軽くツッコミながら聞く息子たちの存在(画面内の配置が見事!)と、シリアスな資料映像のモンタージュにより、抽象度がぐっとあがる。内容以上に、その堅牢なフォームに感心してしまった。

・『ネネット』 監督:ニコラ・フィリベール
さすがニコラ・フィリベールというべきか、延々オラウータンが映っているだけなのに、まったく飽きさせない。動きと表情だけでいくらでも見てられるし、そこへきて老若男女の来園者や動物園スタッフの声のハーモニー。巧い。見つめ返されるラストショットが小憎たらしいほど。

・『光、ノスタルジア』 監督:パトリシオ・グスマン
圧倒的なメタファーの力! 遠近法のバニシングポイントとなる、ラストのあるシーンに震えた。
劇団ままごと「わが星」のことを少し思い起こす。

・『むかし男ありけり』 ディレクター:木村栄文
木村栄文、マジ収穫。ポルトガルのサンタクルスで晩年の一年あまりを過ごした檀一雄。その足跡を追うリポーターに起用されたのは、なんと高倉健。いかに破滅型の大文豪が切り口とはいえ、九州ローカル局がキー局やNHKに対抗するにはたしかに健さんの力が必要だろう。とはいえ雑誌編集などでも言えることだが、必要と思うことと、口説き落とすことの間には高い段差があるもので、そこを越える足腰にも唸る。

◆連休終わりで帰った人も多いようで、香味庵がいくらかすいてきた(といっても、あいかわらずイスにありつける人はごくわずかという状態だが)。
今宵も面白い人たちにいっぱい会えた。とても懐かしい人にも。