2009/06/20

カオスTK

Touen◆先日の「東京の演奏4」でこっちゃんと物々交換してもらった『東京の演奏コンピ』がすごくよい。これホント、K Recordsのコンピじゃないかってぐらいに耳になじむ。
どの演奏もとてもすてきでにやけてしまうのだけど、とくに[disk1]の最後に入っている高城くん(cero)の「そいじゃ、また」。たとえばMount Earieの「uh oh it's morning time again」とほとんど同じ空気だもの。USインディ好きのみなさま方にもぜひ聴いてほしいです。

「東京の演奏4」の写真がRYUちゃんのブログにアップされています。暗くなっていく東京の空と東京の熱演の絡みが劇的です。ぜひとも覗いてみてください。

以前に、GANG GANG DANCEはブルックリンだとパーティバンドだってことを日記(12月25日)に書いた。
GANG GANG DANCEとかあのへんのミュージシャンって、日本だとO-nestみたいなライブハウスでライブしたりするけど、彼らは地元のブルックリンだと、友達のやってる中華料理屋を貸し切って、内輪のパーティみたいな感じでやってるらしいと。
実際そうかどうかは別として、ライブハウスみたく演奏者がライトアップされ、フロア(もしくは客席)が暗転、みたいなのとは違うライブのあり方になにかが胎動している。

四谷の音楽室の動画があれば一番いいのだけど、でも代わりにたとえばMount Earieとも交流のあるBreathe Owl Breathegaのこれ(↓)でもいい。そうそう、この空気。演奏も、お客さんも。



あるいは無力無善寺ってこんな(↓)感じ(Cake Shopね)。そしてWOODSの新譜はとても素敵だ。



べつに東京がオリンピアやニューヨークなんかと似ていますねってことが、ただ言いたいわけじゃない。東京のインディもUSインディに負けないぐらいいけてるし、緩やかな共時性もあっておもしろい、そんなふうにO-nestとかで向こうのバンドを観るような人たちにも微弱な電波を送ってみたいのです。BON IVERもすばらしいけど、前野健太も最高だから。この感じ(↓)、後半かなり熱いけど、全然遜色ないからと。



◆またもや忘れてた。先週12日(金)に映画『SR サイタマノラッパー』のイベント@shibuya HOMEで赤い疑惑を観たんだった。
アウェイんときの疑惑はやばい、というのはデメキングイベントで証明済み。久しぶりに聴いた「東京フリーターブリーダー」にシビれた。
2007年、疑惑が一時的に復活をはたした東京ボロフェスタ。リハーサルでかました(本番ではやらなかった)「東京フリーターブリーダー」。あの一曲でもってかれたんだ。

◆14日(日)、恵比寿ナディッフでChim↑Pom「広島!!」展のトークイベントを聴く。
思うことはいろいろあったが、『美術手帖』に掲載された「ヒロシマの空をピカッとさせる」の写真があまりにもひどいことについて卯城くんがちゃんと言及していてよかった。オレも思っていた。あれは絶望的にひどい。写真にばりばりデジタル処理をほどこしている。

そもそも「ピカッ」には原爆の記憶が時間や世代を経ることで薄れていき、平和表現もいやがうえにも劣化していく、ということへの意識的な目配せが、それがコンセプトのすべてではないにしろあったはずなんだ。だからこそ飛行機雲で描かれいまにも消え去りそうな「ピカッ」の文字、あの儚さこそが重要なのにそれなのに。
『美術手帖』ときたら、おそらく「文字が薄いから」とかそんな単純な理由で(それ意外の理由だったとしたら、なお悪い)、フォトショップかなにかのデジタル処理でもって「ピカッ」をくっきりさせてやんの。CGみたくなっちゃてんの。アホかと。
極端なことをいえば、印刷工程で「ピカッ」がさらに消えて薄くなってしまったっていいと思うんだ。芸術と複製技術の関係ってそういうものでしょう。
なんで「アート」の門外漢のオレがそんなことまで言わなきゃいけないのかわからないよ。栗原裕一郎さんとかが、最後までフォローしてくれればいいのになー。
オレの言ってることまちがっていたら、誰か正してください。

その後、渋谷に移動し、O-nest(!)の「モーリス祭り」でgroup_inouを観る。group_inouが観たかった。ただそれだけなんだけど、観られてよかった。

さらに恵比寿に舞い戻り、リキッドルームで相対性理論。
やくしまるさんの儚さとバンドの演奏力、ともに飛躍的にアップしていた。客席も巻き込んだ不思議な緊張感は相変わらず。もう露出とかの問題じゃない。あの緊張感こそ相対性理論の魅力の核心だと思う。

◆15日(月)、『実話マッドマックス』副編集長Wくんの小規模な送別会。古くからの仲間が集まる。楽しすぎて涙が出た。あの頃つくったDVD、ホントありえないくらいおもしろいので、どこかで上映会をやれたらいいな。

なにがあろうと、オレが雨宮まみというライターを心底信用しているのは、あのひとこんなことを書くからだ。
私は「ウィークエンド・スーパー」の時代を知りません。「写真時代」の時代も、知らない。「HEAVEN」も「JAM」も、見たことがありません。でも私は「千人斬り」を知ってます。「URECCO GAL」も知ってる。「マッドマックス」も知ってるし、「ウォーB組」も知ってます。セルビデオの世界には、オーロラプロジェクトがあり、実録出版があり、豊田薫があり、ワープがあり桃太郎がありゴーゴーズがあり、ドグマがあり、V&Rプロダクツもある。その世界は信じられないくらい、豊かなんです。
最近、書かれたこれにもぐっときてしまった。

◆16日(火)、浅草花やしきにてDDT「花やしきプロレス」。
またもや楽しすぎて涙が出たよ。よく出るなー。

三沢のことがあった。追悼の10カウントゴング。いやホントはそれに間に合わなかったんだオレ。着いたら、男色ディーノが石井慧介をプリクラマシンに突っこんで陵辱しようとしていたんだ。

メインイベント直前からぽつぽつ降り出した雨に、伝説の予感――は的中。
スワンのアトラクションでムーンサルトを決める飯伏(これがホントの「スワン式」)があまりにも神々しすぎて、もはや雨だか涙だか。
さらに豪雨のなか、なぜか対戦相手4人で「花やしき史上、最強・最速の絶叫マシン」スペースショットに乗り込んで――

Hana02→→→Hana01

雷もゴロゴロゴロ――!! ってもう意味わからないよ。
根本敬先生いうところの「演出:神」状態。
いやー楽しかった!
くわしくはこちらにレポートがアップされております。

それにしてもあれからずいぶん遠くまできてしまったことよ。
あのカオスを体感してしまって以降、元には戻れない身体になってしまった……。





そして、この流れ、冒頭の音楽話に(だけでなく、たとえば演劇にも)ゆるやかに接続されていく。ステージがライトアップされ客席が暗転、っていうモダンではないなにかに。