2009/01/03

ライブテープ

謹賀新年。
元日からすばらしくとんでもない映画の撮影に参加させていただきました。

「ライブテープ」

ミュージシャン・前野健太が吉祥寺八幡からバウスシアター、サンロード、ハモニカ横丁、吉祥寺ロンロン、丸井前を抜け、井の頭公園まで歌いながら練り歩き、最後に公園のステージでバンドと合流、演奏を決めるというワンカット80分のドキュメンタリー。
監督・松江哲明

ワンカット80分ですよ。
つまり一回録画ボタンを押したら、一度も撮影を中断することなく回しっぱなし。その限界値がminiDVテープの上限ギリギリである80分。
おまけに、最初に松江監督から聞いた段階では、当日、本番を3回ぐらい撮影すると言っていた(おそらく2回目が一番いいテンションになると思う、なんてこともゆってた)のに、昨年末のリハーサルのときに「当日は15時から本番一回しかやらないつもりだから」だって。
カメラマンを務める近藤龍人さんからの提案だという。
曰く、「60分を越えてから出るNGは、それはNGにならないから」と。

思えば、この判断がすべてだったと思う。
「ライブテープ」とはよく名づけたもの。
2009年の1月1日、一度しかない80分を、関わった各々がどう生きるのか。「生き方」が問われていた。

僕はというと撮影全体の動きを見ながらの連絡役をやっていたのだけど、撮影直前に入った松江監督からの電話が、「やばいです。警官きてます。バラすかも」だもん。
回し始めてからも、後半に丸井前でサックスを吹きながら合流する予定のあだち麗三郎くんから、「武蔵野公会堂前(おもいっきり撮影ルート)でデモがあるみたいで、人が集まってきています」とか、井の頭公園で待機しているcobi.から「警備員が集まってきちゃっててステージを使うの無理。第二候補(公園内の空きスペース)もたぶん無理」なんて連絡が入るし。

各々が精一杯、生きた結果。それは映画「ライブテープ」が完成したあかつきに(松江監督、期待してますよ!)、ぜひ多くの人に見ていただきたいのですが、ともかく僕は、現場で聞いた前野健太の「生きてゆかなきゃね――!!」(「天気予報」)という絶叫におもわずウルッときてしまったのでした。

松江監督の日記も。
おそらく松江哲明のフィルモグラフィのなかでもとても重要な作品になるにちがいない。
早く完成するといいな(もちろん音編集は丁寧にやってほしいけど……なんせ録音の山本タカアキさん、6本もマイク立ててたから)。

そしてそして前野健太はというと、新年早々から重要なライブが目白押しなのです。

まずは1月8日に、なんと、ついにというか、map企画に出演!
それも、長谷川健一、麓健一と3マン!!(いや、大橋裕之先生の紙芝居もあるのだ!)

小田さんの煽り文(下にも引用)にも、いつになくグッときてしまった。
ウィル・オールダムやダニエル・ジョンストンやスモッグやハウ・ゲルブやM・ウォードなんかを一緒に観にいったあなたや、偶然、同じ会場にいたかもしれないあなた。
いまはマエケンとも、ハセケンとも、麓さんとも言わない。
ただそこに在る、歌を聴きにいきましょう。
map presents
「ただそこに在る、歌」vol.1

1月8日(木)渋谷オ・ネスト
open : 18:30/start 19:00
charge:1,800円(前売)/2,000円(当日)【ドリンク別】
【前売り予約は、ticket(at)mapup.netまで!】

●出演
長谷川健一(from 京都)
麓健一
前野健太
紙芝居:大橋裕之

【この日は、すべてギター1本/歌1つだけで演奏を行ないますので、ゆっくりご覧いただくために、100席ほど椅子席をご用意させていただきます】

新世代、なんてぇ触れ込みで現れたものに新しかったためしはない。スタンダード、なんてぇことを我で抜かす輩に、心を鷲づかみされたことがない。異端、なんてぇもんは九分九厘まやかしだ。そんなもったいぶった前口上よりも、ただただ当たり前の音楽、そして歌が聴きたい。長谷川健一、麓健一、前野健太……偶然にも「健」の名を冠した男が三人。当たり前の装いを纏ったこれらの歌たちは、時に「なんだかパッとしないなぁ」と思われるだろうし、何十年というシンガー・ソングライター文脈のひとつにしか見えないかもしれない。また、彼らはまだ若く(とはいえ、結構な歳だ!)、その未熟さを鼻で笑う者もいるかもしれぬ。しかし、耳をそばだて、彼らが言祝ぐ言葉と旋律のひとつひとつを心で反芻してみれば、それがあなたにとって一生関わるかもしれぬ特別なモノへとうつろう可能性を秘めている。だからこそ今日は、いつものように優れたバンドや歪んだバック・トラックを帯同することなしに、ギターと歌という「素」の表情で歌ってもらうこととなった。ただただ、ここに当たり前の歌が屹立している。で、訊く。それ以上、何が必要なの、と。

そして、1月12日には、「ライブテープ」では見事に酔っぱらいのおじさんを捌いてみせたハヤシライスレコード・佐藤正訓くんによる素敵企画、「都会の迷子さん」の新春スペシャル「キミは僕のうた」(佐藤くん、ホント銀杏好きだよなー。俺もだけど)があります。

「ライブテープ」でも活躍したDAVID BOWIEたち(吉田悠樹+大久保日向+pop鈴木)に、あだち麗三郎。それからセカンドアルバムもゴキゲンだった、おとぎ話。先日のいわきでのライブも最高だったマーガレットズロース。そして来年、ついにセカンドミニアルバム完成かもという、いなかやろう(USインディ好きにはぜひ聴いてほしい!)。
かなりの素敵メンツですので、ぜひとも足を運びたいところです。
【都会の迷子さんvol.10~新春SP キミは僕のうた~】

2009年1月12日(成人の日)
代々木Zher the ZOO
開場18:00 開演18:30
前売\2300 当日\2500(共に1ドリンク代別)

【出演】
前野健太とDAVID BOWIEたち
おとぎ話
マーガレットズロース
オープニングアクト:いなかやろう
サブステージ:あだち麗三郎
DJ:なんのこっちゃい西山。

【チケット入手先】
Pコード:310-059 Lコード:74117 ライブハウス店頭

【お問い合わせ先】
代々木Zher the ZOO TEL:03-5358-4491 FAX:03-5358-4492
http://www.ukproject.com/zherthezoo/