2006/08/28

最近のニキータ⑤

仕事柄、フジのPRIDE放送撤退や亀田ジャッジ問題の裏事情について聞かれることがよくあるんですが、週刊誌に書かれている以上のことはほとんど知りません。ただ信頼できる筋の情報によるとこのムックの冒頭の座談会はかなりガチとのことなので、気になってる方はチェックしてみるとよいと思います。実際、かなりやばい。かつて某芸能事務所に雪隠詰めにされたことのあるオイラでも、さすがにこんなことよう書かんわと思いました。ブルブル。

というわけでリングに駆けるニキータ。

PRIDE無差別級グランプリ2006 2ndROUND@さいたまスーパーアリーナ 07/01
プロ格ファンが逆境でどんだけ「がんばる」か身をもって知ってるだけに、多少の期待感すらあったんだけど、ほとんど必然性の感じられない前半4試合でショボーン。
フジテレビとの決裂により、煽りVのクオリティもショボショボーン。
ただこれまで(佐藤D演出)があまりにもスペシャルすぎたのと、製作時間の少なさを思うと、今回だけで断罪してしまうのはちょっと可哀想でもあり(こないだの武士道はどうだったんだろう?)。地上派でなくCSの専門チャンネルである以上、切り口がストレートになること自体は悪くないと思うし。

GPの4試合はどのカードも順当ながら、好勝負。
金原が口酸っぱく言ってたミルコのローキックの重さに改めて震撼。
起きあがれない吉田を確認し、サクっと帰った。
PRIDEはPRIDE、それが確認できただけでよかった。

WRESTLE EXPO 2006@東京臨海副都心イベントスペース青海A地区特設 08/20
プロレスが面白いことになっている。
ジャンルとしてのカミングアウトを通過した結果、かえってエンターテイメントとしての底力、間口の広さ、奥深さが光るようになった。一部のメジャー団体を除き。

一番大きいのは「強さ」に対するシビアな目線が減った結果、他エンタメ業界からの参入がしやすくなったこと。かつて、あのビートたけしですら本気の「帰れコール」を浴びせかけられたことがあったけど、そのことを思えば、レイザーラモンHGやインリンがメインイベントで堂々プロレスするなんて隔世の感があるよ。
グラビアアイドルがプロモーション活動の一環としてプロレスに参戦なんてケースも増えている。なかには小中学生女子が中心になって闘う萌え系団体まである。

メジャーとインディーの敷居もずいぶん低くなった(アングルとしていまだ温存されてはいるが)。人気・実力のある選手が出身や所属に縛られることなく他団体のマットにも上がる。学生プロレス出身もいまや恥ずかしいことでない。
ついこないだまで「またぐなよ」なんてやってたのにな……。1ヶ月ぐらい前の『ファイト』で長州と大仁田が対談してたけど、国会議員云々抜きに、レスラーとして大仁田の方が格上っぽく見えてしまった。

そういった風通しのよさが、新鮮なムーブメントを生みやすくしている。
殺害塩化ビニールのバカ社長ことクレイジーSKBと小学生女子が同じリングに立つ666、小劇場界との強いパイプのもと演劇あたまを駆使するマッスル
千葉に本拠地を置くKAIENTAI-DOJOや、静岡プロレス、大阪プロレスのように地方色を打ち出している団体が増えているのも面白い。

それにしても、いまさらながら冬木や杉作さんのヴィジョンは正しかったんだなと。先見の明だよ。ただ、早すぎたんだよなー。

ある者は失踪し、ある者は首を吊り、ある者はガンに倒れ、ある者は半身不随の身体に……。自らも死を考え、湘南の砂浜をさまよい歩いたという杉作さん。
幾多の男達の屍を超え、いま杉作さんが男の墓場プロとして活動する意味について、みな少しは思いを巡らせてみたほうがいい(って誰に言ってるんだろうか)。

まあともかく、そんな現在進行形のプロレスをショウケース的に見ることができたレッスルエキスポ2006
都内では久方ぶりの有刺鉄線電流爆破(試合までの流れも最高!)、モンスターボックス(TBSのアレね)に挑戦したマッスルをはじめ、かなり充実の内容だったんだけど、インパクトという点ではこれに尽きる!
全身に巻いた爆竹を炸裂させながら(写真よりも遙かに迫力あり)、メカマミーに襲いかかるバカ社長!!
まず、知らない方のためにメカマミーとはなにかってとこから説明すべきなんだろうけど、この写真が語る以上にオレごときがなにかを言える自信がないので、やめておきます。

2006/08/24

最近のニキータ④ ウタモノの告知とか、コドモ身体化するあふりらんぽとか

昨日は「ウタモノの夕べ」の告知用フライヤーが完成したというので、受け取りがてらメンバーで新宿飲み。フライヤーばら捲き作戦のほか、鍾乳洞の魅力、メガネ沢さんの改名問題などが話し合われました。
とくに最後のやつが重要。メガネ沢さんの文化系女子力をうまく数字(集客)に結びつけるにあたって「メガネ沢かけ郎」という名前がネックになっている、ということは以前からたびたび指摘されていたからです。

というわけで遠回しに改名を迫るメンバー一同でしたが、彼女は予想以上に「メガネ沢かけ郎」という名に執着があるらしく(元ネタの「クロマティ高校」自体にはたいした思い入れはない模様)、頑として首をふりません。すったもんだの末、最終的な妥協案として落ち着いたのは、その名もずばり「メガネ沢かけ子」というものでした。

そんな彼女も、帰るころには「『かけ子』もなかなか悪くないじゃん」と思えてきたらしく、「ひと手間かけ子」「明日への橋をかけ子」「ストレッチにじゅうぶん時間をかけ子」などいろんなパターンを列挙しながらご満悦でした。我々はとにもかくにも「●●かけ子」「●●●●かけ子」、そういったドリームシャワー的な下ネタだけは絶対に言うまいと細心の注意を払ったのでした。

で、告知です。
Utamono05_19月3日(日)、三軒茶屋マナマナというところで昼から夜(15時~22時)までDJイベントをやりますのでよかったら遊びにきてください。なんつうか、これまでの様子からいって、ふらっと立ち寄って(ひとりでも複数でも)、飲んだり、お茶したり、軽くメシ食ったり(なかなか美味い)、おしゃべりしたり、みたいなイベントだと思います。あれ、音楽は?みたいな感じです。
ああ!でも今回はあのmapの福田さんがゲストでDJをしてくれます! 先輩!!(オラの大学の)
mixiのコミュもあります→

最近の音楽的なニキータも。

さかなライブ@吉祥寺MANDA-LA2 06/12
lete以外で見るさかなは久しぶり。そのleteで録音された大名盤『Sunday Clothes』が発売されてから初めて見るライブでもあった。期待度じゅうぶん。でもって満足度じゅうぶんのライブ。やっぱり。
アルバムが出たばかりだというのに、すでにスタイルが変化していた。『Sunday Clothes』はクラシックギターを多用したアコースティック色の強いアルバムだったけど、この日はポコペンさんがガットギター、西脇さんはエレクトリックギターという編成。各曲ともまたもやアレンジをいじっていて、もうディランかと。
後半、近頃はエゴ・ラッピンのサポートにも入ってる、エマーソン北村(key)と菅沼雄太(dr)のコンビが加わりバンドバージョン。いつもの仲間に個別に声をかけたら、偶然2人ともエゴ・ラッピンじゃん、みたいなことだったらしい。聴いてるそばからもったいなくなるような、贅沢な時間。鳥肌音楽。

豊田道倫/あふりらんぽ NHK-FMライブビート公開録音@NHK渋谷505スタジオ 07/14
豊田さん、ドラムスに久下惠生、キーボードにDr.KyOn。この3人での編成は初めてらしいんだけど、すっごくしっくりザラついてた。胸に迫った。人生のサウンドトラックはこんな音だなー。

あふりらんぽ、久々に見たらかわいいコロボックルみたいになっててビビった。もっと怖えー大人のオンナだと思ってたんだけど。海外回ったりしているうちにあんな風になっちゃったんだろうか。
ダンスでいうとこの「コドモ身体」っていうの? そういう海外(とくにNY)でウケる日本人女性ミュージシャンのタイプってあると思う。古くは少年ナイフ、いまだとパフィみたいな。だから、松田聖子や宇多田ヒカルがいくらやってもダメだったのってよくわかるよ。「大人の」女性として受け入れられるのがいかに難しいか。逆に言うと女性ミュージシャンは「子ども身体」みたいなとこ狙っていくのが、海外でひと山当てる近道か。

風呂ロックFINAL 弁天湯VS遠藤賢司@弁天湯 07/20
ファイナルっていいながらもその後もだらだらと続いてるルーズさがじつにロッキンな風呂ロック。もちろん全面支持であります。
とはいえ、この日のエンケンライブには「これで最期」の気概が溢れていた。熱かった。もとい暑かった。ビールが美味かった。脱衣所にクドカンがちょこんと座ってたので、「『我が輩』、超おもしろかったです!」と念じた。心の中で強く。

寿町フリーコンサート@寿町職安前広場 08/12
3年ぶり。以前のような活気はない。でも、おっちゃん達がゆるやかに楽しめるなら結果オーライ。と言いたいところだが、oiパンクみたいな盛り上がり方をする、ヨソ者感覚のない若者たちが怖かった。マーガレットズロースに「オイ!オイ!オイ!オイ!」はねーだろう。

2006/08/21

最近のニキータ③ チェルフィッチュ化する談志

しばらくネットから遠ざかっていました。
メールとかミクシィの業務連絡とか滞っていてすみません。
そろそろちゃんとします。

ずうっと部屋の片づけをしてました。行き着くところまできてしまった部屋のジャングル化に、生命の危機すら覚えたので。

新しい本棚を運んできた運送屋さんの前でCDラックを倒し2000枚近いCDをぶちまけたり(そうしないと本棚を置くスペースがなかった)、仕事の資料でもらった大量のエロDVDをブックオフに持ちこんだらけっこうな臨時収入になったり、マンガ喫茶で『キン肉マンII世』読んで現実逃避したり、でも逆にマリしゃんがシングルマザーに、という劇画オバQチックな展開にシビアな現実を思いしらされたり(あとキャプ翼で日向君がセリエCにしか入団できなかったりとか)、いろいろありました。いまさらですが亀田戦に関してはグレー判定云々以前に(というか、なんでみんなあんな怒るのかよくわからん)、じつはこんなにも壮絶な戦いが繰り広げられていたという事実に驚きを隠せません。あと七尾旅人さんの日記もよかった。やっぱりこうでなきゃ。

手間と時間をかけただけあって、部屋は見違えるほど片づきました。

そして、もはや「最近」でもなってしまったここ数ヶ月のニキータ。
落語も見ました。

Yumehitoyo「談志・志の輔 夢一夜」@新橋演舞場 05/30
この日の公演をフューチャーした情熱大陸(W杯クロアチア戦の裏で放送)では、「ライバルは過去の自分」みたいに締めてたけど、「いまの」立川談志ほど面白いものはないと思っている自分にとってはややもの足りなかった。

たしかに自分の高座の出来に納得のいかない談志師匠が、楽屋で志の輔師匠の高座(非常にウケている)を聞きながら、「なんなら志の輔に三席やらせばいいじゃねえか」とつぶやく姿は印象的だった。それに志の輔の「徂徠豆腐」が、キャラクター造形・心理描写の細やかさがサゲの美しさ、どれをとってもこれぞ「志の輔落語(古典)」としか呼びようがないほどの素晴らしさだったのも事実。

しかし、である。
談志の高座はさらに衝撃的だったのだ。

この日の談志師匠は完全にチェルフィッチュ化。
まず「子別れ」のあらすじをざっと説明してしまう。「これから『子別れ』という噺をやるんだが、さあどうやろうか」(!)。

噺の中断や脱線なんて余裕しゃくしゃく。平気で時間を巻き戻す。バージョンを替えてやり直す。志ん生っぽいならこう、圓生ならこう。
「あれ、まずいな、フツーの『子別れ』になっちゃてるよ」って!

そして極めつきは談志コール。なんと高座の上から自分で自分を応援!
「ガンバレ、ガンバレ、談志!!」
手拍子で応える客席!!

……すごすぎる。
志の輔の高座はその巧みな一人話芸で、客席を江戸情緒あふれるファンタジー世界に包み込む。名人芸とはそういうものだろう。
けれど談志は、談志の高座は、じつは落語とは着物着た一人の人間が座布団の上で何かワアワア言っているだけ、ということを暴露してしまっている。

談志は、そんな危ういリアリティの水準に立ちながら、人間の業を描きだす。
いや、人間の業に挑もうとするあまり、そのようなきわきわの領域、表現のヘリへと向かってしまう、そのこと自体、表現者の業なのかもしれない。

やっていることはチェルフィッチュやポツドールと変わらない。
そんな身体表現のエッジに、70歳の立川談志がいる。

思えば談志が内容、リズム、メロディを崩してまで、芝浜のおかみさんのセリフを変えたのは、チェルフィッチュよりもはるか以前のこと。
談志の「イリュージョン」は、岡田利規の言う、言葉やしぐさの親たる「イメージ」とゆるやかに響きあっている。

「小沢昭一の吉原へ御案内」@ヤマハホール 07/16
サマーソニックと並ぶ都市型夏フェスでおなじみの大銀座落語祭
六人の会メンバーはもちろんのこと、横山ノックから2年連続の快楽亭ブラックまで、今年も幅広い豪華ラインナップでありました。
そんななかでオイラのチョイスはこれ。
小沢翁の吉原談義を拝聴した上で、扇遊と圓菊の廓噺を堪能するというなかなか乙なプログラム……だったのだけど徹夜仕事の疲れから、客席で船を漕いでしまった。残念&申し訳なし。もしこれが家元の高座だったら、つまみ出されてたかも。

◆快楽亭ブラック毒演会@浅草大勝館 07/29
最近のブラック師匠については、ぜひともブログを読んでほしいんだけど、とりあえず、左膝を悪くし(骨粗鬆症?)、しばらく松葉杖生活だった、と。もちろん正座は無理なので、イスに座って話すというなかなかレアな高座が続いています。
といってもそろそろ次の毒演会(09/09)くらいから正座できるのでは、とのこと。

ネタは、「たがや」(この日は隅田川花火大会だった)、「目黒の秋刀魚」、「人性劇場」、「聖水番屋」。
ここ最近のブラック師匠、左足のハンディにも関わらず、噺のほうはすこぶる絶好調である。唐沢俊一さんに言わせると、「こんなに焼け太りする男もいない」。まさに芸人の鑑。
10/21には「心筋梗塞&大動脈血瑠一周年の会」なんてのも企画してるらしいし(唐沢さんによる講談「快楽亭ブラック倒レルノ記」も!)、他にもいろいろ企んでいるらしい。まだまだ楽しみは続きます。