2005/12/08

シルヴィ・ギエム 「ボレロ」

◆イギー・ポップみたいな風体のジョルジュ・ドンがファンクミュージックばりの熱さでぐいぐい迫ってくる公演ビデオに衝撃を受けて以来、いつか生で観たいと思っていた「ボレロ」。シルヴィ・ギエムの「ボレロ」(12/5追加公演)でようやく願いが叶った。しかもギエムが日本で「ボレロ」を踊るのは今回のツアーで最後だという。

◆間にあってよかった。広い東京文化会館の観衆とただ一人で向かい合うギエムの、気高く美しくかつ妥協のない動きの一つ一つに、まるで岡本太郎美術館に迷い込んだときのオッス!トン子ちゃんのように戦慄したのダス! 初めてのスタンディング・オベーション。理屈ぬき、自分がこんなにも素直に感動できること、そのことにあらためて感動。

◆帰りに勢いでこれを買いそうになるがあまりのデカさに思いとどまる。代わりにDVDを購入。

星野智幸さんの日記(11/17)を読んで再び全身が毛羽立つ。
ギエムは、舞台上だけでなく会場中の人間のエネルギーを引き出しているかのようだった。私は自分の中に眠る可能性を、鼓舞されている気がした。約15分の踊りを、全生命をかけて踊り、そこにいる数千人の人間のエネルギーと共振させようとしていた。超越的体験と勘違いしそうになるが、これはコミュニケーションの最高形態である表現の一つなのであって、特権的な出来事ではない。けれど、一生に何度も体験できるものでもない。
◆ギエムの一挙一投足を頭の中で追想してみる。それだけで全身が熱くなる。いまでも。