2005/07/18

弘前劇場 「ケンちゃんの贈りもの」

日曜日、津軽弁を浴びたく弘前劇場の公演へ。これが地味シブっ! 渋谷のクラブ取材からのハシゴだったのでなおさらそう感じたかも。そういうギャップはとても好ましい。

kenchan青森市の郊外で二人暮らしする父(79)と息子(49)。二人は義理の親子で、父は息子の嫁さんの父親。その嫁は8年前に亡くなっている。この日は父の三寿のお祝い。わざわざ写真屋を呼んで記念写真を撮ったり、寿司を囲んだりと和やかな時間が流れる中、父から息子への突然のプレゼント。養子縁組の書類と見合い写真、おまけに見合い相手まで家に呼んであって……。と、ここまでややコミカルな味わいなのだが、息子がその見合いを不可解なほどに拒絶するあたりからブルースが加速していく。息子のほうも父親にプレゼントを用意していて、それがなんと老人養護施設への入居(!)だという。しかもこちらもすでに職員を呼んであるという手際のよさ。「これがあんたのプレゼントか!?」絶句する父。観てる方もなぜ?なぜ?の嵐です。そこから徐々に秘密が明かされ、じつは自分は若年性の認知症(アルツハイマー)なのだとカミングアウトする息子。言われてみれば写真やメモなど伏線もあったり。暗い食卓で寿司をむさぼり食う二人……。

というブルージィ極まりない内容。いろいろ考えさせられました、なんて書きそうになるがそんなときはたいていなんも考えてないわけで、正直に告白するとあまりひっかかるものがなかった。つつがない話運びがかえって一義的というか。また、これが家に帰ったらちょうどEZ!TVでも若年性認知症の特集をやってて、「障害者年金の申請用紙を書こうと思ったらもう字が書けなくなってて、悲しかったあ。あんなに悲しいことはなかった」って笑い泣いているおばさんの姿がなんとも深かったりするんだ。別に比べられるいわれもないだろうが、EZ!TVよりは印象残してほしかったんだよなあ。