2005/12/31

お世話になった10枚 2005

残すところ一日というわけで、今年もお世話になった10枚を。

iamab helder godsm blank comehere kidenno melhentrips j tokyono elephant
●Antony And The Johnsons / I Am A Bird Now
●Annelies Monsere / Helder
●Gang Gang Dance / God's Money
●Jana Hunter / Blank Unstaring Heirs of Doom
●Kath Bloom / Come Here
●My Pal Foot Foot / 貴殿の秘伝のお薬
●なのるなもない / Melhentrips
●Ratn / J
●豊田道倫 / 東京の恋人
●Why? / Elephant Eyelash
 (※アルファベット順)
今回は悩んだー。とりあえず前半はAntony And The Johnsons、後半はJana Hunterにつきる。とくにJana Hunterはバファリン飲みすぎて看病されてるような心地よさがやばかった。Annelies Monsereのストイックで静謐な世界にもどっぷり。Kate Bush(ケイトの新作もよかった!)がダンスミュージックやってるようなGang Gang Dance、いまだに聴くと笑ってしまう。やみつき。小枝をポキポキ折るようなLoren MazzaCane ConnorsのギターにKath Bloomの朝もやボーカルが乗る『Come Here』。あまりにもよかったので他にもマザケイン・コナーズが奥さんに歌わせてるやつなども聴いてみたり。マイパルは待望の新譜、全19曲でおなかいっぱい。なのるなもないWhy?のようにhip-hopプロパーの音楽をSSWアルバムのように聴く日がくるなんて、と思ったらかせきさだぁ≡がいたじゃないかと自分つっこみが入りました。ツジコノリコのウタモノサイドだけを凝縮したようなRatnはもうありがたいやらもったいないやら。『東京の恋人』パラガは人生のサウンドトラック。

他にもよく聴いた新譜はKate Bush、Peggy Honeywells、Samara Lubelski、Lau Nau、CocoRosie、Pajo、Magnolia Electric Co、Sufjan Stevens、Six Organs of Admittance、にかスープ&さやソース、ゑでぃまあこん、ソウル・フラワー・ユニオンなど。iPod(なの、だけども)を購入したことで、ついにリスニング環境にIT革命が到来した年でもありました。

ではではみなさんよいお年を!

オーちゃんがんばれ!!

2005/12/29

東京の恋人

◆キャバクラで「男たちの大和」モノマネを披露したりゲイバーで「愛の賛歌」を熱唱したりするのに忙しく、更新する機会を逸しておりました。

◆そんな自堕落サイト管理人ではありますが、劇評サイトwonderlandさまに声をかけて頂き「振り返る 私の2005」という企画に参加しました。浮いてる感もなきにしもあらず。がしかし演劇関係者や錚々たる劇評サイトの方々が並ぶなか、よくぞこんなわけのわからないサイトをピックアップしてくださったと感謝する次第なのです。よかったら他の方々のとあわせてご一読いただければ幸いです。ちなみに蛇足ながら[静かな演劇の次はノイズの演劇だ]という評がありますが、いくら文字数が限られてるとはいえ内容があまりにも杜撰、というか「ノイズ」に対してかなり的はずれな理解をしているように感じました。

◆若干もれた仕事もあって今日で仕事おさめ。夕方から豊田道倫『東京の恋人』発売記念コンサートへ。まごうことなき傑作『SING A SONG』をいまだに愛聴してるのでなかなか新しいアルバムに入り込むという感じじゃなかったんだけど、渋谷O-nestに向かう井の頭線の中で『東京の恋人』を聴いてたらやっぱりいいなあ、と。あいかわらずザラザラしてるんだけど、ほのかな穏やかさが沁みるのね。M-1グランプリにおける中田カウスみたいなね。

◆ライブは前半が豊田さんのソロ、後半はバンドサウンドでニューアルバムの曲を。バンドがものすごく豪華(久下惠生、上田ケンジ、曽我部恵一、Dr.kyOn、宇波拓、向島ゆり子、川本真琴、それにシャッター音で佐内正史)。でも特にグッときたのは久下さん(ドラムス)との二人編成でやった2曲、アルバム以上に疾走感溢れる「深夜放送」とエレキギターが炸裂する「35の夜」だった。エモーショナル。

◆深夜『北野フォーク人生王決定戦!!』て番組をなにげなく見てたら、たけしが友部正人の「彼はドアマン」について「歌詞がジム・クロウチっぽいよな」なんて言ってて唸ってしまう。

2005/12/21

sakana@l'ete

lete1219

この日のl'eteは前日まで催されていた西脇さんの個展の絵がそのまま飾られていた。よれよれの質感の紙にくすんだタッチで描かれた西脇さんの絵は、まるで何十年も前からそこに飾られていたかのようにl'eteを包んでいた。

そしていつものようにポコペンさんが歌った。多くの人々に希望や喜びを分けあたえどこかへ消えていった孤独な魂のことを。

2005/12/19

リメンバー湊川の戦い

あまりの忙しさに心の平衡を失う。

22時間くらいモニターに向かっていたのにしたことといえば、ワイド液晶モニターを衝動買いしなぜかワイド液晶テレビまで購入ボタンをクリック、ついでに前から欲しかったラジオのMP3録音機もクリックしたり、ほとんどループシーケンサーとしてしか使っていないSONARの最新版もクリッククリック、でもそう考えてくとACIDの最新版も欲しくなるところだがぎりぎりで思いとどまり、代わりにUSのビデオショップでACIDループを3万円分オーダー。送料$40込みでも日本で買うより圧倒的に安かった。クリッククリック。

気づいたら30万円以上も散財してしまった胸騒ぎの午後。やばいまだまだ遣ってしまいそうだ。このムラムラ感を鎮めるにはオナニーしかない、と思ってまだ見ぬエロ動画を求め検索なぞしてみたら、なんと長いこと贔屓にしている企画単体系の女優さんが新宿のデリヘルで嬢をしているのを発見! そのあとも迷惑防止条例改正とタケ&イシハラ凸凹コンビによる“浄化”作戦と山口組(司6代目 実刑6年確定!)の東京進出というトリプルパンチで壊滅状態となった歌舞伎町風俗の、中でもとくに徒花性の強かったビデオBOXの常連さんたちが傘(ガサ)が入って潰れてしまった店をノスタルジックに回顧したり、散り散りになってしまった女のコたちの行く末を手分けして探したり(他店への凸撃とHPの宣材写真照合)する風俗板のスレを、当初の目的を忘れじっくり読んでしまった。今月に入って山手線の反対側の駅でスタメンも店員もほぼそのままにひっそりと再開しているのが判明して、しかもほとぼりが冷めたら元の場所に再び店舗を戻すという情報が流れたときのスレ住人の反応ときたら、「その日を……その日をお待ち申し上げますうぅうう」 おまえらは南朝再興を願う楠木親子かと。いい話じゃないか。

とにかくこのまま忘年会シーズンに突入するのはまずい。

2005/12/18

鏡像関係

自分のライブを寝すごしました。ダメだ……。

miyastudioいつのまにかCDができてました。 →sample

音源アップしようと久々にFTPをいじったら、人生の夏休みが化石化したものを発掘しました。 →

ベース、さすがにすこしは上達しようと思って教則DVDを買ってみたら、画面に登場した講師が左きき。「みなさんから見たら鏡を見ているようでわかりやすいと思います」わかりずれーよ!

2005/12/17

DANSHIS'

◆途中まで書きかけたまま放置してた。

◆先週末は快楽亭ブラック師匠のツアーに同行。金曜の夜に大阪で4席、土曜あさ名古屋に移動し昼に4席、夜に栄のSMバー(シチュエーション最高!)で21時からと23時から1席づつ計2席、ホテルで仮眠をとって日曜あさ東京にとって返し、そのまま日本橋亭のトンデモ落語会で1席、って心臓の再手術を控えた病人のやることじゃないよ!

◆とにかく芸人の生き様をまざまざと見せつけられた旅だった。会う人会う人みな強烈で、伝説のシンガー小林万里子さん(「ブラック師匠が倒れたのは元気いいぞうのせい」と断言!)やら筋金入りの快楽亭ファンKさんやらSMバーの女王様やらその他たくさん。お世話になりました。

◆明けて月曜は「立川談志ひとり会~秋三夜」の最終夜へ。よく考えりゃブラック師匠のことだって今年できるかぎり談志を見ようと思ったからこそ、こだわってるわけだ。師曰く「落語とは“業”の肯定なり」。ならばなぜ快楽亭ブラックが除名なのか? まあそれについては談志師匠が悔いてることを確認できただけでも十分ではあるのだが。

◆今回の談志ドキュメンタリー。一席目は講談話「青龍刀権次」。談志師匠が高座で釈台つかうのをはじめて見た。といっても直前にBSでやってた「立川談志 日本の笑芸百選」の録画(ベベンとやりながら100人の芸人を語り尽くす)を見たばっかだったので自然。それにしても「笑芸百選」最高でしたな。しつこいと言われるかもしれないけど、ここ最近の談志のテレビ・ラジオ出演はじつに凄まじいんだから。とにかく出たとこ勝負。話が暴走する・とっちらかる・まとまらない・終わらない。かつての談志ならやすやすと完全に掌握してみせたんだろうけど、いまの談志は強引にねじふせようとあがくあがく。言うなればメルヴィルの「白鯨」状態。それを見せちゃう談志も談志だし、引き受ける放送人も天晴れとしかいいようがない。でもって「笑芸百選」ではそんな談志を「好きな芸人について好きなだけ喋れる」というシチュエーションに置いたのだからこれがオモシロくならないはずがないのだ。

◆話がそれちゃった。「青竜刀権次」、の前にいつもの長いマクラでぼやき放談。マンションの耐震偽装問題について「お化け長屋」だと思えばいいじゃねえか、には笑った。ホント落語てのはよくできてるねえ。仕事でいけなかった夏の独演会でも掛けたらしい「青竜刀権次」は江戸から明治への移り変わりを時代背景にした不思議な味わいの話。紫の着流しにロシア製のピストルを構える「爆裂のお玉」てのがえらくカッコよかった。ただいまいち噺に乗りきれないようにも見受けられ、かつての談志の講談話にあった迫力を感じとることはできなかった。

◆中入り後は「付き馬」。いいなあ。こういう口八丁みたいな噺はいまの談志師匠で聴くとすごくいい。そういえばつい最近もまーた仕事でいけなかった横浜の独演会では「粗忽長屋」を演ったらしい。聴きたかった。

◆時間があまったので最後に時節柄「二度目の清書」のさわりを。

◆時節柄といえば今年の大晦日、紅白や格闘技の向こうを張ってMXテレビで2時間落語をやるらしい。当然トリは「芝浜」ってことになってるんだろうけど、いまの談志師匠にはもっと自由にやってほしいなあ。でもそこをあえて避けずにぶつけるというのもらしいのか。最後の「芝浜」、などというものはないのだから。立川談志とシルヴィ・ギエムはまったく異なる美学を生きている。たしかに誰に聞いても「昔の談志はすごかった」っていうし、落語家としては事実そうなのかもしれない。だけどそんなん関係なしにオレは「いま」の談志は凄いと思う。こんな生々しいドキュメンタリーを現在進行形で見られることに感謝する。

2005/12/08

シルヴィ・ギエム 「ボレロ」

◆イギー・ポップみたいな風体のジョルジュ・ドンがファンクミュージックばりの熱さでぐいぐい迫ってくる公演ビデオに衝撃を受けて以来、いつか生で観たいと思っていた「ボレロ」。シルヴィ・ギエムの「ボレロ」(12/5追加公演)でようやく願いが叶った。しかもギエムが日本で「ボレロ」を踊るのは今回のツアーで最後だという。

◆間にあってよかった。広い東京文化会館の観衆とただ一人で向かい合うギエムの、気高く美しくかつ妥協のない動きの一つ一つに、まるで岡本太郎美術館に迷い込んだときのオッス!トン子ちゃんのように戦慄したのダス! 初めてのスタンディング・オベーション。理屈ぬき、自分がこんなにも素直に感動できること、そのことにあらためて感動。

◆帰りに勢いでこれを買いそうになるがあまりのデカさに思いとどまる。代わりにDVDを購入。

星野智幸さんの日記(11/17)を読んで再び全身が毛羽立つ。
ギエムは、舞台上だけでなく会場中の人間のエネルギーを引き出しているかのようだった。私は自分の中に眠る可能性を、鼓舞されている気がした。約15分の踊りを、全生命をかけて踊り、そこにいる数千人の人間のエネルギーと共振させようとしていた。超越的体験と勘違いしそうになるが、これはコミュニケーションの最高形態である表現の一つなのであって、特権的な出来事ではない。けれど、一生に何度も体験できるものでもない。
◆ギエムの一挙一投足を頭の中で追想してみる。それだけで全身が熱くなる。いまでも。

2005/12/04

思春期に少年から大人に変わる

◆「鬼畜大変態」最高でした。ブラック師匠は「オマン公社」で快調ぶりをアピール。元気いいぞうさんもあいかわらず天然の輝きで、あのモノマネも久々に見られて大満足。そしてなによりも強調したいのがこの状況(ブラック師匠の立川流除名&談笑師匠の立川流真打ち昇進)にも関わらずブラック師匠との会に出演し続ける談笑師匠の侠気!なのでした。「私のほかにも出てる方いますから、談之助師匠とか、あと談之助師匠とか…」だって。しかもこの日のネタの凶暴なこと! とてもここに書き込めるような内容ではないので、まさに会の名に恥じぬ鬼畜っぷりだったとだけ書き記しておきます。

◆夜のDJイベントはまあ想定の範囲内。

◆どうせこんなとこ見てないだろうから書いてしまいますが、一度DJの顔合わせという名目の飲み会をしたとき、一緒にDJする予定の女の人が「わたし○○さんの知り合いでー」「わたしの友達の友達が○○さんとイベントやっててー」というわかりやすいくらいに人生スリップストリームな人で、こういう手合いの人はさすがというか「○○さん(著名人)がマイミクなのはすごい」とかそういう趣旨のことを臆面もなく語る(ミクシィやらない方にはなんのことやらという話ですみません)のである意味すがすがしいくらいなのだけれど、ミクシィ日記でぼくがあるライターYさんと仕事しているのを知ったらしく、「こないだ友達の友達の○○さんがやってるイベントにYさんがきてたので知り合いになった」とか「こんど友達の知人の知り合いの同僚が○○でイベントやってそこにYさんもくる」とか「わたしの友達の友人のいとこの隣人の同級生の恋人の恋仇の弟の○○の友人が○○で~(以下だいたい同じ)」などリアクションしようのない話題を延々振りつづける壊れかけのレディオ状態、チューニングのツマミがどっかいっちゃってて怖かったです。かつて一番の友達はオレオ(ナビスコ)だと公言してはばからなかった後藤久美子のほうがよほど人間味があったのではと思いました。なのでイベント当日、実はあまり人のことを言えない直りかけのレディオ(東京ダイナマイト)であるところのぼくは数少ない知り合いとだけ交わって小さくなっていたのですが、例の女の人が帰り際にまたもや「○日のYさんのイベントいくんですよー」と声をかけてくださったので、そんなイベントがあることすら知りませんでしたが勇気を出して「ああ○○のイベントですね!(○○は適当)」と言ったら「いや○○ですよー」と返してくれて、そのとき初めてぼくはオシャレDJイベント(鈴木茂が流れると「ヒューゥゥ」と歓声があがる)の一員になれたような錯覚がしたのでした。その時月が話かけます、もうすぐ夜が明けますよ。

◆こうやってまた世間を狭くしてしまうのだなあ……。

2005/12/02

パーティだ!(ジャック・ニコルソン演じるところのジョーカーの口調で)

◆前日になってしまいましたが、あす麻布の十番会館で催される「鬼畜大変態~地獄篇」、激しくオススメです。出演は快楽亭ブラック、立川談笑、元気いいぞう。まさに夢の組み合わせ。白昼夢ですが。ブラックバンドも販売されると思います。十番会館の場所はこちらで(麻布十番駅から雑式通りをまっすぐ、セブンイレブンの手前)。13時開演。ブラック師匠のブログにも詳細あります。

◆あとついでながら夜には渋谷のエッジエンドで催される「ナカヨクケンカシナ」というオールナイトイベントでDJやります。23時から80分ぐらい。DJプログレヤングという名で文字どおりプログレをかけまくります。チャージが2ドリンク付き¥2,000と微妙なのですが、もしよかったら遊びにきてください。ぼく自身完全にアウェイのイベントなので、誰かきてくれないと寂しくておかしくなりそうです。アイちゃんが好きだあ!

◆最近の映像技術部のムービーはただただバカバカしくて楽しくていいなーと思ってたら、なんとねとらんの2005年度「ベスト・オブ・脳内洗浄ムービー+絵と音も」にノミネートされたって。 たしかに「缶蹴りムービー」バカだもんなあ。かつて「コミット?」を観たmikaihooくんが「やつらパーティーピーポーっスよ」といった理由がよくわかる。

◆でもってこないだ松田くんとメシくった時に「面白いからロフトプラスワンでイベントとかやるといいよ」なんて無責任にアドバイスしてみたら、ネイキッドロフトだけどマジで実現することに(1月4日)。

◆「コミット?」も近いうちにえいぎサイトで配信してくれるようです。

2005/11/25

ブラックバンド

blackbandブラックバンド
先日のブラックエイドで販売されました(¥200)。ちっちゃい目玉がついててカワイイです。ちなみに収益はほっとけない世界の貧しい人々にもブラック師匠にも渡らず、製作者のふところに入るとのこと。なにもそんなとこまで本家をマネなくても!

落語家快楽亭ブラック退院、来春に再手術
退院した日の師匠は浅草でひとっ風呂浴び、丸の内東映で映画(「まだまだあぶない刑事」)。翌日はラピュタ阿佐ヶ谷で2本映画を観たあと地域寄席で早々に高座復帰。そのまた翌日は浅草新劇場で映画を2本観て、夜は歌舞伎座へ……。

ズバリいっていつまた倒れるかわかりません!

2005/11/14

目的地

先週は誕生日があった。まだまだ30じゃなかった。けっこう長いぞ20代。水曜日、飲みのついでに祝ってもらったけど、ものの「ついで」というのも考えものだと思った。

木曜日、アゴラ劇場でチェルフィッチュ「目的地」。猫とかニュータウンとか意匠が重層的になり、若者の生態という枠を越え確実に進化していた。ゲスト・平田オリザのアフタートークも期待通りのおもしろさ。

平田オリザがアフォーダンス(認知心理学)の研究者と共同で進めてるというプロジェクトがすごい。役者はある一定のインプットを記憶することで、常に一定のパフォーマンスを維持することができる。でもってある役者の動きがリアルに見えるかどうかはそのときの役者の感情なんてのにはまったく関係なく、視線の動きであったり身体的なレスポンスの方に依ってくる。だから、そのような反応(アウトプット)を引き出すために与えるべきインプットを制御(たとえば机の上の小物を見る順番を限定するとか)すれば誰でもリアルな演技ができることになる、と。なにがすごいって、そういうの突き詰めていくと最終的には役者の感情表現の訓練みたいな従来の演劇レッスンがほとんど無意味になってしまうという。

あの手この手で役者の意識分散をはかってきた平田オリザだけにこの方向性はかなり納得できる。そしてそれは、いうまでもなく感情やテーマを描くのを排することを意味しない。

そういや件の誕生日飲みの席で『ガラスの仮面』の話になったんだけど、北島マヤの役柄に没入してしまうトランス状態のような演技を名演技といわれてももはや説得力に欠けるもんな。幸福な時代の産物というか。といっても『ガラスの仮面』はまだ続いているわけで、この先、劇団つきかげが青年団化する可能性もゼロではない。「好き」ってセリフを感情たっぷりに言おうとするマヤに、「そうじゃなくて昨日の夕飯を思い出しながら『好き』って言ってみな」と平田オリザばりの意識分散を迫る月影先生。想像するだけでワクワク……しないか。

「目的地」の舞台設定が港北ニュータウンだった。ちょうど20歳のころ住んでいたのが田園都市線のあざみ野。劇中にも登場する市営地下鉄に乗って大学に通っていたので「セン北(センター北)」や「セン南」といった呼び名が懐かしかった。いわゆる「少年の荒涼とした心が」とかいわれちゃうようなニュータウンとも違ってたあのヘンテコな感じ。やはりあの地区にゆかりの深い(レペゼン?)mikaihooくんにも見せてあげたかった。

watashuwo金曜日、ポレポレ坐で「私をみつめて」。同世代の人が作ったものの中では久々にすごいドキュメンタリーを観た。被写体に「私とセックスして! じゃなきゃ撮影中止や!」と言われて「じゃやめます」と即答するシーンが最高。セルフくささや文学趣味もまったくなし。そのつど体重の推移を示す数字と状況説明のテロップだけ。三脚撮影が多いカメラアイもとことん即物的。だけどそれは平田オリザのところで述べたのと同じで感情やテーマを描くことを排するものではない。いやーこの監督、かなり図太い人物なんじゃないだろうか。

2005/11/04

ブラック&ホワイト

駆けずり回った10月が終わり、月あけからはずーっと自宅にカンヅメ状態。ブラック師匠のお見舞いにいったほかは自宅半径100メートル圏外に出ていない。もうずいぶんと布団の上でも寝ていない。なんでいつもこうなの。

しかし、ブラック師匠が順調に回復しているのはなにより。順調というか驚異的というか。あまりにもドラマチックなことばかり起こるので時たま現実感を失いそうになるよ。
師匠ほどじゃないけど、こちらもその磁場に巻き込まれてかなんだか妙なことが続いたり。うっすらとなにかが開けそうなそれともただの気のせいのような。

ブラック師匠の連載原稿の件でそれまでまったく面識のなかった映画雑誌の編集Oさんに電話したら、その翌日に今度はOさんから電話がかかってきて、当然ブラック師匠のことだと思って出たらこれがぜんぜん違ってて、ぼくの本業のほうの問い合わせ。これまったくの偶然。
Oさんもこちらがまさか前日ブラック師のことで連絡した人間と同一人物だとは思っておらず(そりゃそうだ)ビックリされた。

その翌日にはジョアンナ・ニューサムとスモッグのライブ(最高! 久しぶりに観たテニスコーツと54/71もよかった)だったんだけど、こんな場所ではめずらしいFさん夫妻(Fさんはこの手の音楽のファンというわけではなく、mapフクダさんの親友としてたまたま来ていた)に遭遇。
この夫妻、立川流の某師匠とたいへん仲がよく、しかも奥さんは現在これまた立川流の某売れっ子師匠のテレビ番組を製作しているというからまたまた驚き。お互い情報交換をし、二人にしか頼めないお願いもする。

そのまた翌日の金曜日は、一週前の放送でブラック師匠が倒れた現場となった(詳細はこちらで)唐沢俊一さんのブジオに談之助師匠がゲスト出演、当然のごとくブラック師匠の話をするというのでカメラを持ってお邪魔させていただく。
唐沢さんが迎えにきてくださるのを待ってTBSのホールで座ってると、なんとそこを通るは立川流家元こと談志師匠じゃないですか!! 思わず腰を浮かしそうになる。だけどオレにいったいなにが言える!? 結局、ああそうか「談志の遺言」の録りなんだなと納得したりしてるうちに家元はツゥーっと通路の奥へ。
わずか2分後、談之助師匠登場。バッティングしなかったのはラッキーか。さっそく耳に入れると、「今回は家元の悪口はよしときましょう(笑)」。

本番は、前フリもそこそこにブラック入院顛末記。
倒れた現場からの放送だけあってさすがに臨場感があり、唐沢さんと談之助師匠のトークも冴え渡る。小林“ヒザマクラ”麻耶アナのバンプも的確。10分ほど話しただろうか、スタッフルームがざわざわしだす。振り向いてみると(カメラでスタジオを撮影していたので)そこにまたまた談志師匠登場!! まったくのハプニングらしく、スタッフの方々もどうしていいかわからなくなってる! すかさず「来てるってことはしゃべらせろってことですから」と談之助師匠。
これをきっかけに家元、スタジオの中へ。

家元 「あれ、あんたはなにやってンの?」
唐沢 「これ僕の番組なんです」
家元 「ああそう。この人はね、落語をちゃんとわかってる人だからね。でなに? ブラック死んだって?」

もういきなりの談志節。もってくもってく。
そして、「(借金は)噺家としては立派。やりやァがったと。除名にしたのは内心忸怩たるものがあるんです」といきなりのブラック肯定発言。ただし「放っておくと俺の金まで持ってきやがるから」(ブラック師匠は前座時代に一度、家元の口座の金を競馬に使ったのがバレて破門になっている)とも。
その後もきっつい毒舌ながら随所にブラック師匠への愛がうかがえる話を一通りし、終いに「あいつは自分のことを完全に放り出すことができる。すごい奴です」と、まさに快楽亭ブラックの本質を射抜く一言を残し嵐のようにスタジオを去っていった家元。
ライクアハリケーン去ってその後のアフターマス。残りの放送時間のなんともいえない虚脱感がまた味わい深かった。

とまあいろいろあって、元気いいぞうさんの快楽亭ブラック追棹(×悼)CDも最高だったりする10月後半でした。さあ冬へと走りだそう。いいぞう先生、ホワイトバンドに負けないくらいおしゃれだという噂のブラックバンドも期待しています!

※追記
快楽亭ブラック猛毒十八番#01」が売れ行き絶好調、完売間近で在庫が10枚ちょっとです。残りは店頭(紀伊國屋書店新宿本店ミュージックテイトや浅草ヨーロー堂、横浜ジョイナス新星堂など)にあるものだけとなります。
もしここを見ていて購入したいという方がいたら早めに言っていただければぼくの方で確保しておきますので、ぜひともよろしくお願いします。ちなみに中部・関西方面の方は12月にCD付公演(こちらの分はすでに枚数確保済です)が予定されてるので、ぜひそちらでもどうぞ。

2005/10/23

BACK IN BLACK

早朝、ブラック師匠が入院している病院の看護婦よりTELあり。師匠がぼくにすぐ来てほしいと言っているという。状況が状況だけにこれは一大事、とあわてて六本木にある病院の集中治療室に駆けつけたところ、
「今日の菊花賞、7-11の2万円一点買いだとIさん(日刊スポーツ馬券予想の担当)に伝えておいて」
だって。思わずずっこけそうになっちゃったよ。いやさすが快楽亭ブラックだわ。ミクシィでみかけた唐沢俊一さんの書き込みによると運ばれる救急車の中でも「患者は男性です」と電話する救急隊員に、「いや、『二枚目の男性』と言って下さい」なんてことゆってたらしい。心筋梗塞に急性大動脈乖離まで併発して死ぬかもしれないってのに。このケース、生存率むちゃくちゃ低いらしいじゃないか。なんという悪運!いや強運の持ち主なんだろうか。ま、馬券は外れてたけど。

でもほんとうに、よかった。

2005/10/22

黒く塗れ

ブラック師匠が倒れた

21日の唐沢俊一さんのラジオに出演直後、スタジオで倒れたという。心筋梗塞。緊急手術の甲斐あって幸い一命はとりとめ、現在は意識もはっきりしているという。

立川談之助師匠から電話で第一報を聞いた時、不覚にも泣いてしまった。

CDの売り上げは絶好調、これなら借金を2年で完済するのも夢じゃないと言ってたブラック師匠。仕事も順調そのもの、年末には24時間落語、年頭にはロフトプラスワンでイベントもやろうといっていた。そう話しつつも、その陰で細かいストレスや過労がどれほどブラック師の体を蝕んでいたのかと思うと……。

でも、倒れたのが唐沢さんの前でホントによかった。医学の心得がある唐沢さんだから対応も早かった。これが映画館の中や自宅で一人のときだったら……。

天はまだ快楽亭ブラックを見放していない。

2005/10/20

サブカル価格

◆昨日はブラック師匠のロングインタビューその1を敢行。梅香庵Kさん、アルゴピクチャーズHさんにも同席してもらう。さすがにエピソードざっくざくだが、こちらとしてはまだまだ踏み込み足りず。さらに策を練る必要あり。

◆アルゴHさんが配給・宣伝を担当してる「サオヤの月」についてブラック師匠、まだ観ていないにも関わらず、その監督の気持ちを日本一理解できるのはあっしをおいてほかない!と断言。おかしかった。

◆というわけで今日は「サオヤの月」を観にシネマアートン下北沢へ。早めに着いたのでちょっと周りをウロウロ。アートンの隣りに高円寺ZQみたいなセレクトの古本屋を発見したが、どの本もやたら強気のサブカル価格でがっかり。以前やなぎくんがシモキタの中古屋はファミコンの「カラテカ」を2000円で売ったりする!と憤ってたのを思い出す。

◆「サオヤの月」、うう…ちょっときびしいかも。月のロングショットに音楽かぶせるのとか、なんだかなあ。こういう自分こそもうひねくれすぎててどうしょうもないのかもしれないが。あと、元奥さんはご本人も自覚しているとおりプチ武田美由紀に見えてしまって歩が悪かった。

◆日をおいたら評価が変わってくる映画のような気もする。あと「最後に一発やらせてくれ映画」って系譜はあるよなあ、とか。

◆明日の唐沢俊一さんのブジオ金曜日、ゲストがブラック師匠。TBSラジオで20時から。オイラは聴けそうにないけど(ポッドキャストにも出てくれればなあ)、ぜひに。

◆あ、あとミスアティコのKくんから「シモキタ解体」なるイベントのお誘い。お役に立てるかどうかわからんけど、告知もするよー。
『シモキタ解体』
――下北沢を揺さぶる再開発の欲望を問う

下北沢が「危機」に直面している。終戦直後に決定され長らく忘れ去られてきた都市計画道路が、60年ぶりに再浮上してきたのだ。「再開発の欲望」を抱くのは誰か? それはどのような経路で街にやって来て棲みつき、変形し、あるいは否定されるのか?ランドスケープを巡る象徴闘争が繰り広げられている下北沢で、今、再開発を問う!

■トークセッション
・ 吉見俊哉(社会学者)
・ 蓑原敬(都市計画家)
・ 大木雄高(ジャズバー“Lady Jane”オーナー)
・ 仲俣暁生(フリー編集者)
・ 金子賢三(“Save the 下北沢”代表)

■パフォーマンス
・ 東方力丸(漫画弁士)
・ 広田赤ひげ(路上マッサージ師)

■ライブ
・ 「ジンタらムータ」 
大熊ワタル(cl)服部夏樹(g)渡辺明子(tb)こぐれみわぞう(チンドン太鼓)
・ hi-posi(もりばやしみほ)
・ 朝日美穂

【日時】 11月2日(水) 18時開場 18時半開演
【場所】 北沢タウンホール 2階大ホール
【入場料】 一般:500円 / 学生:無料
【前売り・お問い合わせ】

電話:03-3466-8062 メール:info@misatikoh.net
(メールの場合は氏名と電話番号をお知らせください)

【主催】 下北沢と出会う雑誌『ミスアティコ』
※座席数に限りがありますので、事前のご予約をおすすめします。
◆中高時代は通学路&遊び場として、大学時代は演劇&ライブの街として過ごしたシモキタはまさに青春っそのものーなんで再開発問題については気になってたけど、まだまだわかってないことが多いので行ってみようと思う。けして朝日美穂さんのライブが観たいだけじゃないよ。

2005/10/16

ライブ

◆激しかった。親指の豆から鮮血が!と思ったら水ぶくれがつぶれただけだったというくらい。終わったあと対バンの方に笑顔で「おつかれさま!」と声かけられビクッとしてしまった。

◆毎月出るかもなので、気が向いたらそのうち見にきてください。

◆ライブ後は元大内アパート住人Iさんに連れられ西荻に移動、西荻区民の方々の飲みに合流。フツーに言いたい放題や談志シング5の話ができて楽しかった。ホント最高なんだから。
チンペイ「悪酔いしてるな。ヘリクツはいいから、具体的に話してくれよ、小泉に放たれたオンナ刺客はずいぶん頑張ったなあ」
ダンシ「でも、よくああいうブスに一票いれるよな。あんな女たちでも、”やらせる”といえば、やるんだろうな、世間の男は」
チンペイ「あたりめえだ、タナボタだよ」
ダンシ「怖いことだ。家元はポコチンがしなびるよ、しなびるどころか、腐るような気がする」
チンペイ「だいぶクスリがきいてきたな」
陳談トーク 05/09/14より)
◆最近じゃ「私のこだわり人物伝」も凄いことになってる。先週のエンディングなんて家元本人ですら(たぶん)何しゃべってんのかわかんなくなっちゃって、「まとめないで終わるのは俺ぐらいのキャリアがないとできないんだ」って舌出して終わりだよ。自由すぎ!

井上貴子が演劇に挑戦
バンドのリーダーから貴子が芝居に出るらしい(「週プロ」情報)と聞いて、調べてみたらすごい豪華メンツ! 当然のごとくチケットはソールドアウト。笹塚ファクトリーは一度行ってみたいんだけどなあ。

◆貴子を芝居に誘ったのは中尾彬だそうでそのセリフがまたいいんだ。「貴子、リング上のレスラーは四方から見られているが、芝居は正面だけだ。お前ならできる」だって。あの声でだよ。

2005/10/15

甘納豆

theatercafe◆打ち合わせにきたTさんと吉祥寺シアター併設のシアターカフェ(←音でます)でランチ。近いしすいてるしで重宝してる。ご飯おかわり自由で600円というのもいい。

◆午後は馬場、飯田橋、市ヶ谷とあっちこっちまわり用事をやっつける。自宅での作業がほとんど進んでおらず不安もあり。明日はライブだし。

◆移動中のBGMは桂文楽「明烏」。文楽にロメール、エスプリのつらした激情家たち。
皮かむりの亀頭が朝の気配に歓喜している初々しさを桂文楽は表現することができる。花魁の床からぬけだそうとしないそんな若旦那を横目で見て、皿小鉢の底に少量はいった甘納豆を、スイスイと二口づつ、二粒か三粒ずつ吸いこみながら、若旦那、ねえ若旦那。くりごとを言う若い衆の、その甘納豆がかならずあずきのものであり、砂糖の結晶の下の、かすかに日向くさい甘みを、俺は一瞬味わったように錯覚したのだ。
平岡正明「光になりたい」(『読書人』1972年1月17日)

2005/10/14

犬猫日記

◆日記更新したままけっきょく朝まで仕事。原稿案をメールしたあと、別の納品1本。ピックアップしにきた最狂マニア投稿誌のK君が缶コーヒー2本差し入れてくれる。ありがたし。

◆さらに今日朝が締め切りのムック用原稿、電話したらまだ余裕がありそう(やっぱり!)なので夜まで待ってもらうことにして、早稲田大学へ。未見の森達也「ミゼットプロレス伝説」の上映があるらしく、昨日の今日でどうしても見たくなってしまったので。しかし着いたらすでに上映終わっており、次の「よだかの星」が始まるところ。ミクシィで見た上映順と違う……。脱力。

◆失意のままチェーン寿司屋で海鮮重を腹に入れ、今度は浅草へ移動。太鼓屋が運営してるスタジオでバンド練習。いまの仕事のペースだとどうもRAW LIFEはいけそうにない(チケット買ったのにまた……)ので15日はライブに出ます。鶯谷のWHAT'S UP。どうせ告知しても誰もこないのはわかってる。

◆それにしても天才ギタリストWさんはどうしてるんだろう。いつまでも日本海ながめてないで、早く戻ってきて一緒にエイベックスからデビューしましょう!

godsm◆さすがに眠い。スタジオから駅まで10分ほどの帰り道がつらい。移動中のBGM、Gang Gang Dance「God's Money」。最近よく聴いてる。ところどころケイト・ブッシュ(「Hounds Of Love」とか「The Sensual World」に入ってるダンサブルなやつ)っぽくて笑ってしまうの。NO NEW YORK meets KATE BUSH。

◆締め切りを夜にしてもらった原稿のため急いで帰宅。が、いちおう(というか期待をもって)電話したらやっぱり明日でも大丈夫とのこと。これで安心したのがいけなかった。油断して仮眠したら案の定落ちてしまい、アバウトに夜あたりでとぼかしていたC社での打ち合わせを流してしまった。Tさんすみません!!

2005/10/13

犬猫日記

◆神楽坂のレコード会社でミュージシャンインタビュー。最近いい感じなので調子乗ってたら見事にしっぺ返し。反省点多し。ページ数が少ないのに救われた。

◆編集F君とカメラマンFさんと韓国料理屋で軽くメシ。その後ひとり半蔵門の国立劇場へ。「立川談志ひとり会 ~秋三夜~」の第一夜。客席でKさんと合流。

◆何年かぶり演芸場でのひとり会。肉体と精神の綱引きはあいかわらず続行中だ。「最後までできるか不安なんだ」と隠しもせず「松曳き」へ。枯れるつもり毛頭なく、じりじりひきずられる肉体が談志ドキュメント。

◆仲入り後、めずしい「子別れ」。これよかった。ウェットさを廃した江戸前仕上げ。フィッシュボーンの美しさ。この方向は新しい鉱脈となるのか……。

◆余った時間で「やかん」を。やっぱバカバカしくていいや。「気持ちなんざァいちいち説明いらねえんだ。セックスのときはハァハァハァ」で前列にいた子どもが爆笑。もちろんオレも。

◆終演後、Kさんと近くの蕎麦屋へ。Kさんはとろろ蕎麦、こちらは力うどんを。汁物が旨い季節になった。Kさんに思いがけずありがたい申し出をしていただき感謝。よろしくお願いします。

◆今夜中に骨子をメールしなきゃいけない原稿があるのに、録画したK-1 MAX見ながら落ちてしまう。

◆2時間ほどで起きてのそのそ。「夜の力を借りなきゃ書けない原稿なんて、ハナからたいしたことない」って佐野眞一がどっかに書いてた。ホントその通りだ。生活にメリとハリを出すためできるだけ日記をつけてみようと思う。すでにAM3時、結局このあと仕事しきゃならない時点でつまづいている。

◆フジでやってる「放送禁止4」を観ながらこれを書いてる。面白い試みだとは思うけど、役者がなあ……。なんか似てると思ったらAVの素人ナンパものだ。あれガチだと思うからがっかりするんであって、フェイクドキュメンタリーってくくってみりゃ案外いける……かも。プロレスことにUWFだってそうだ。そういや森達也の新刊がグレート東郷。『異端の笑国』の映像化を思いつき、「ビヨンド・ザ・マット」を面白がる森さんでもある。ドキュメンタリストはプロレスのグレーゾーンに豊穣をみる。

◆グレート東郷に刻印された戦後日本。米軍基地GIの父と日本人の母(師匠曰く「パンパン」ではなく「オンリー」だったという)を持ち、その父を朝鮮戦争で失ったブラック師匠にオレがみようとしているものと重なるところがあるのかもしれない。早く読んでみたい。

◆日記てどうなんだ。もし不快感を覚えたりしたらこっそり教えてください。

2005/10/10

フィッシュ→さかな

フィッシュマンズのヴォーカリストにpocopenさんが!

なんだかいまだフィッシュマンズを聴き直せないキモいファンの自分ですらこれには反応してしまった。

『宇宙 日本 世田谷』やさかなの『リトルスワロウ』はホントよく聴いた。6枚チェンジャーのCDコンポ。ふわふわと籠もった音像は閉めきった部屋にぴったりフィットして柔らかいカプセルの中にいるようだった。外で起きてることなんて知らなくて知りたくもなかった。でもいまは、窓あけようぜぐらいは言えるようになったかね。

なんか前もそんなこといってた。少しは更新されてると思うけどどうなんだろう。ただ、ひどいことはよりひどくなっているという話もあるし……。まあこれ以上は書かないけど。

話を強引に戻すと、ヴォーカリスト山崎まさよしてのも納得。山崎さんの『SHEEP』も『宇宙 日本 世田谷』や『リトルスワロウ』と同じく、録音がZAK。やっぱりよく聴いた。Passageなあ。

リトルスワロウ』はその後、ジム・オルークのリミックス入りで再発された。フィッシュマンズはつらすぎてダメでも、これは聴ける。ますますマイペースに活動してるからな、さかなは。

2005/10/07

青年団 「S高原から」

ヒルズ近くのオフィスでテレビの方に快楽亭ブラック師匠についてプレゼン。最近自分の仕事がなんなのかよくわかんなくなってきたよ。でも、やるんだよ!

DOSEONEとJELが来日してライブまでしたそうじゃないか。まったくもって油断。その日(5日)は呑気に青年団の「S高原から」観てたし。いや呑気ってこともないか。

青年団は「海よりも長い夜」の初演以来だから6年ぶりだったけど、やっぱ濃いわ。本家は集団と個人の関係力学がせめぎあってせめぎあって、どのニセよりも緻密だった。ワイズマンだね。ノイズや雰囲気に頼るでなく、精密に組み立てられた「リアル」。

もちろんニセも、じつに「ニセ」らしかったのだと得心いった。

2005/10/03

アップル&マンゴー

tropicana最近のお気に入り、トロピカーナのアップル&マンゴー味。とろとろっと濃厚な味わい。濃ゆいトマトジュースを飲み干すときに似た鼻にツンとくる感じがたまらない。いつもJR新宿駅構内の成城石井で買ってます。

昨夜はThe American Analog SetHer Space Holidayのライブ@渋谷O-nest。なんかーライブ久しぶり?って一瞬錯覚してしまったけど全然そんなこたなく、nestが久しぶりなだけ。やっぱライブハウスといえばここがデフォルトだもんな。

ライブはどちらも素晴らしく、特にAASのたゆたうような音像にはウットリ。で、あんまりウットリしたもんで貧血で倒れそうになっちゃったよ。後半はロビーに退避してブラックコーヒーで鉄分補給してた。なにやってんだか。ロビーにもちゃんとサウンドシステムが組んであったので、音はきっちり聴けたのがせめてもの救いか。

hshHSHの出番には完全回復。こちらはSEやストリングスの入ったサンプリング音にバンドの生音をかぶせる今様ロック。ラップトップがリンゴじゃなくてヒューレットパッカードだったのも好感度大。ひたすらカッコよかった。

2005/10/01

『エンタクシー』

entaxi11

快楽亭ブラック師匠の独占手記が掲載された雑誌『エンタクシー』購入。

これ面白いわ。まずブラック師匠の「二千万円借金地獄除名顛末記」が言うまでもなく最高! それからメインの「七〇年代東映」特集も付録が笠原和夫の未映画化シナリオ「実録・共産党 日本暗殺秘録」ってのにビビるし、吉田豪さんが聞き手の松方弘樹インタビューも不良性感度ビンビン。その豪さんによる別雑誌でのインタビューで素晴らしき生涯不良っぷりを披露していた角川春樹会長の誌上句会も、ゲストが斉藤斎藤氏っていうとんでもない顔合わせだったり。ほかにもみうじゅん久々のディラン原稿とか、こちらもホント久方ぶりに目にした杉作さんの投げっぱなしコラムとか畑中純先生の自伝漫画とか、やけに読みでのある記事がめじろ押しで、なんか久々に「雑」誌って感じの雑誌。「超世代文芸クオリティマガジン」ていうプロレスチックな謳い文句も無駄にカッコよくていい。

2005/09/30

まあ、生きていれば良しとする

ここんとこ前売り買ったのに行けないってこと多すぎなので当日券でいいやなんて余裕かましてたらHer Space HolidayとThe American Analog Setの来日公演、2日のほうチケット売り切れだって。ヤバす!というわけで渋谷some of usに駆けこみ残り数枚のをかろうじてゲット。やっぱり根強い人気だねえ。

それにしても根強いのか降ってわいたのか、驚いたのが水曜日に高円寺の円盤でやった元気いいぞう祭りだよ。ブラック師匠のドキュメンタリー用にいいぞうさんのコメントを撮らせてもらおうっていうのと、知人のGO!ヒロミ44’さん(←いきなり音でるから気をつけて)も出るというので気楽に行ったんだけど、開演ぎりぎりに着いたら超満員で入れないでやんの。いっぱいすぎて扉が開かないっていう。それでもからだを無理くりして潜入してみたら、中はもう若い男女でギッシリ!

なんでもいいぞうさん、水中、それは苦しいのジョニー大蔵大臣さんが大プッシュしてたり(今回のいいぞう祭りもジョニーさんからお話があったそうな)、一緒に出てたゾノネムさん(この人目当ての客がかなり多かった)という方がリリー・フランキーのTR2に出てて、そのつながりなのかなんなのかリリーさんプロデュースでCDをつくるなんて話もあって、追い風吹きまくってるっぽい!?

とはいえ元気いいぞうは元気いいぞう、あいかわらずのくだらなさで最高だった。ニール・ヤングの「ヘイヘイ、マイマイ」から怒濤のオナニーソングに突入するなんてこの人ぐらいだけど、ある意味もっとも鋭いニール・ヤング解釈だとすら錯覚してしまいそうになるよ。あぶないあぶない。

コメントというかインタビューもバッチリ。ちょうど前日にブラック師匠とサシで飲んで、お互い「褒め殺し大会」だったとか。怖いけど見てみたいー。

kakegohan吉祥寺に帰って旺旺で遅い夕食。その昔オイラに豚の角煮の旨さを教えてくれた「豚肉かけご飯」630円也。

昨日は眠れなかったから
どうか 今夜は眠れますように
けれどもしも今夜も 眠れなくても
まあ、生きていれば良しとする
(まあ、生きていれば良しとする / 元気いいぞう)

2005/09/25

未完成の映画にしないで

「ウタモノの夕べ」愉しかった。OK*NOさん(サイト閉じちゃったの?)がプライド捨ててJames Ihaかけたのにモテなかったり、とうさいさんのダジャレ・ヌーボーが解禁になったり(「偉大な男はダジャレ好き!」@吉田豪)、いまや古いCDを売ってゴルフクラブ購入資金に充ててるというぐり(困ってる)さんがシューゲイザーやギタポをセンチに語ったり(心の古傷!)、NOFさんがあいかわらず目に入れても痛くないほどのマスコットぶりだったり、やなぎくんがドラマの主人公みたいだったり、それから持ち込みタイムも盛りあがったりで自分の持ち時間を20分も少なく見積もってた僕はなんだかお客さん目線で楽しんでしまった。

毎回必ずかけると決めたレナード・コーエンの「Hallelujah」カバーは、今回はJennifer Terranバージョンをかけてみた。友部正人さんの「夜は言葉」(ライブバージョン)につないでみたら我ながらグッときちゃったよ。

朝方ウチに帰って2時間ほど仮眠し、そのまま完徹仕事。二日連続で完徹してるのにまだ眠くなくって、今朝は開店前の渋谷ツタヤに資料用ビデオを返しにいった。

帰りの井の頭線がガラガラでよかった。

シートに座ってipodなの(ちょっとカワイく)でfogなんか聴いてたら、なんだか幸せな気分になってくる。寝不足でヘンな脳内物質でも出てるのか、それともブラック師匠の影響かしらん。借金、離婚、立川流除名……いままさに逆境の淵にある師匠が、四畳半のアパートからチャリでコインランドリーへ向かう途中、ふと「自由」を感じて自分が幸せであることに気づくっていうこの日の日記、なにも自分の名前が出てくるからってことじゃなしに感動してしまったから。だって、まるで師匠が心より愛する古きよき日本映画の主人公たちみたいじゃないか(けっこう都合のよいところも含めて)。

明日からはちょっと休めるかな。

2005/09/22

「ニセS高原から」ポツドール組

ニセS高原から」、ポツドール組も最高だった。「ニセ高原」裏バージョン。よく放送作家がコントを作るときなんかに使う手で話の裏読みってのがあって、たとえばシンデレラ、あの女はじつはものすごく計算高い女で、継母や姉にいじめられるのも、それで同情を買うのも、なぜか王子の目にとまってしまうのも、靴を忘れていくのも全部計算でやってたとしたらってことを想像したりして話をつくるんだけど、まさにあれ。ある登場人物の設定なんて、じつは本人が嘘ついてるってことにされちゃったり、でもそれがまた人物設計に奥行きを与えていていい感じ。ドライ&ヘヴィ。

だいたい実験サイドじゃないときのポツドールって前からかなり平田オリザっぽいなーと思ってもいて。こないだの「愛の渦」にしてもそう、扱ってる題材こそ乱交パーティだけど、まさにセミパブリックだし、同時多発的会話、気散じ的な間のとり方なんかにも青年団マナーを感じた。ただしエロ・グロっていう。だから今回の裏読み「ニセS高原」のハマリ具合も納得なのです。五反田団組とも優劣つけがたし。

ただいつも思うことで、五反田団のつくる世界観ってまんま自分の周りの生活に近くて入っていけるというかいとおしくてたまらないんだけど、ポツドールに出てくるギャルとかギャル男っぽいアンチャンとかって自分にとって馴染みがないので(いや実は接触自体はありすぎるほどあるんだけど、深入りしようという気がない)、まさにANIMALをながめている感じというか。それは作品の質とはまったく関係のないことなんだけども、それこそナチュラルボーンなギャルとかがポツドール見たらどんな風に感じたりするのかなってことを思ったりした。

2005/09/11

「ニセS高原から」五反田団組

今回も「選挙いこう勢」クンがたくさん。なかには「選挙いかないやつは文句いうな」とか書いてるやついて、もう意味わからん。選挙いかなくたって文句はいったほうがいいに決まってる。

nises水曜日、「ニセS高原から」五反田団組を観たのだった。

前田演出の特異性を確認するいい機会だったのに、五反田団組から観はじめたのはミステイクだったかも。オリジナルの「S高原から」も未見だし。でも一方で比較的、青年団マナーに近いであろう五反田組から観るのもいいかな、と。

今回はオーディションで選ばれた出自がバラバラなキャストとなっているのだけど、開演前からセットの床でゴロゴロしてるのが黒田さんと大島さんだったので笑ってしまった。普段から客演にもかかわらずある意味五反田団を象徴してしまっている二人。とにかく重心が低い。舞踏とかそうゆうかっこいいやつじゃなく、だらしなく低い。のべつ長イスや床でグターっとしている。「動け」って命令されてもなかなか動かなそうな身体。ええ?めんどくせーみたいな。

気になった箇所はいくつかあって、それは他の組、できれば青年団のオリジナルも観た時点で再度確認したいと思っている。

とりあえず、生と死のこと。誰かが誰かを思うことを描いてきた前田さん、ここのところ生と死のことに接近してて(いや前からずっとそうだったのかも)、それは生と死の境界をあいまいにするような方向に向かってる。「おやすまなさい」で「一人がいなくなっても、もう一人が覚えていたらOKなの!」っていうセリフがギャグとして語られてたように、ようするに覚えていてくれるならOKだと。それに死ぬってことははっきりと生から切り離されることでもないし――いやこれじゃわかりにくいな、死も生の延長みたいな。もっといえば生も死の延長なんだっていう。だからラストも寝てんだか死んでんだかわかんなかったし。

タッチは前田オリジナル? まあこれから観ていったらわかるか。「カッちゃんが死ぬのわかってたら、面白さが半減なんだよ!」っていうセリフがまた、ギャグなのにテーマを射抜いてて前田さんらしかった。タッチは『木更津キャッツアイ』でクドカンも使ってたよね。オジーが死ぬところ。あのマンガ、ラブコメの恥ずかし加減との死の影がいい按配なんだよな。

明日はポツドール組を観る。

2005/09/09

L'eteとSakanaと

lete0905ハイドパークの興奮もさめやらぬ月曜は、下北沢L'eteで恒例のさかなライブ。

意外にもクラシックギター2本でのライブは初めてなんだって。新曲がどれも見事にはまってた。お二人になられてからつくった曲なんだから当たり前か。でもよかった。いまの体制になってからどれくらいになったろう? あいかわらずいろいろ試してるようで、いつもやるレナード・コーエン「Heart With No Companion」なんてウクレレバージョンになっていた。

それにしてもL'eteとさかなのハマリ具合ときたら、まるで一枚の絵画のよう。なーんて思ってたら、なんと西脇さんの日記(9/7)によると今度のアルバムはL'eteでレコーディングするらしい。ほとんどHOSONO HOUSE。

iPod nano買っちった!黒くて4GBのやつ。チューブケースとイヤホン(色そろえた)も。初iPod、完全に浮き足だってるな。

2005/09/08

Hyde Park Music Festival

いまだ思い出すと夢のよう。ハイドパーク・ミュージックフェスティバル2日目に行ってまいりました。

日曜日、めったに乗らない西武池袋線に乗り、狭山まで。会場である稲荷山公園の外までSAKE ROCKのゆるゆるスウィングが漏れ聞こえてくる。ここがかつて日本のウッドストック、日本のビッグピンクともいわれる伝説の地なのですね! 天気もいいし、お客さんの数もいい感じ。あと子ども多し!

岩淵まことさんのイナタいフォークサウンドを聴きながら屋台で腹ごしらえ。お目当てだったアーリー・タイムス・ストリングス・バンド、というか渡辺勝さんの空間を切り裂くようなフレージングと過剰にメランコリックな歌声に酔いしれながらシートでウトウト。そのままアーリーをバックに中川五郎さんや若手のハンバート・ハンバートらが登場し、西岡恭蔵トリビュートへ。そうか恭蔵さんも狭山の住民だったんだよなあ。

途中から雨がぽつぽつと、そして恭蔵トリビュートの終わりを待つかのように本降りに。連れのIさんと「ホソノさんはとてつもないハレオトコだから、今日は雨は降らないのではないか」なーんて話したりして何の備えもしてなかったりして、ってようするに二人ともフェス慣れしてないだけだったわけで。いまさらレインコートを買い求めるも駅前唯一のコンビニは売り切れで、けっきょく隣駅まで買いにいく羽目に。

ただこの時点で一音楽ファンとしては期待を高めちゃったりして。濃霧に包まれたピンクフロイドの箱根アフロディーテ、暴風雨にぶつかったグランドファンクの後楽園、野外ライブは悪条件ほど伝説的なプレイが生まれやすいんじゃないかとか。そんなこと考えながら文字どおり雷雨の中をステージ前に舞いもどる。ラストショウは見逃しちゃったけど、この力強い演奏は、そう……ハーフ・ムーンライダース

フロントに立つ鈴木慶一・博文兄弟と武川雅寛、いずれも力強い!ロック!気分はまさに火の玉ボーイ! 慶一さんが「NO RAIN!NO RAIN!」って叫んでるうちにホントに雨足が弱まってきて、ラストの「髭と口紅とバルコニー」じゃみな傘を差すのをやめ踊りまくってた。

午後の稲妻 しなやかな
黒髪に火花を散らす


レインコートだなんだで走り回り、ムーンライダースで興奮しすぎ、もう体力ゲージが……。情けないことだが、唯一雨露をしのげる駅改札に一時退避し、床にベタ座りでヒーリング。公園の方からは洪栄龍バンドのエレクトリックサウンドが聞こえてくるけどすんませんちょっと休ませて。

とはいえ、エリック・アンダーソンを聴き逃すわけにはいきまいと再びステージ前へ。体力もいくらか回復。相変わらずザーザー降りで足もとはBLUE RIVER状態だけど、もはやそれもよきかなよきかな。エリックの歌声に乗ると、雨音までジェントルに聞こえてくるから不思議。

hyde02雨あがる。佐野元春&THE HOBO KING BANDを前に、すっかり雨があがる。そうしてどこからかわらわらとあふれ出てくる佐野ファンのみなさんたち。いやしかし素晴らしい演奏だった。時間を大幅に削られてしまったらしく、「夏の夜にぴったりのセットを作ってきてたんだけど……この雨で、セットリストを全部入れ替えた!!」そいつがよかった! 「ロックンロール・ナイト」も「サムデイ」もやらなくていい。『THE BARN』はもちろん名盤。ごきげんなロックを聴かせてくれればいい。盛り上げるだけ盛り上げ、疾風のように去ってくロックンローラー・佐野元春。ドキュメンタリー色の強いこのフェスで、一人だけフィクショナルな存在感を醸しだしてたのもご愛嬌。この人はいつでもどこでもそうだもんな。

そして、そして、ついにそのときがきてしまったのです!

ここら辺りに 住みつきませんか
あそこを ひきはらって
生で聞けるから カントリーミュージック


ほ、細野さんが『HOSONO HOUSE』の曲を……ナマで!! 生きているうちにこんな日がくるとは思わなんだよ!至極当然のように空も晴れちゃってるし。1曲目が「ろっか・ばい・まい・べいびい」!!……もうこっそり神様の宴会をのぞいてしまっているような。2曲目は「ぼくはちょっと」。おおおアルバム順にいっちゃうのか!? と、思わせといて「Pom Pom 蒸気」トロピカル三部作キター!! 「夏なんです」はっぴいえんどキター!!

「こういうのは初めて。盛りあげるのとか大っ嫌い。家のソファーでテレビ観てる方が好き。盛りさがってるぞー!!」……ってMCまでいちいち完璧すぎ!

「終わりの季節」、「恋は桃色」、雨上がりの夜空に「幸せハッピー」、そしてやはり最後は小坂忠さんを招き、このフェスの象徴ともいえる二人で「ありがとう」。あまりにも素晴らしい瞬間にただありがとうだけ。アンコールの美しい曲はスケッチショウだったらしい。シビレた。ただただもうシビレっぱなしだった。

思い出すとやはり夢のような。フェスが終わり、吉祥寺に着く頃にはまたも大雨だったんだこれが。細野さん、やっぱり妖怪か!?

2005/09/02

立川流一門会

シルヴィ・ギエム追加公演とれた! 前回のプレオーダーで漏れた人だけが申し込めるシークレット受付だったらしい。それにしてもe+、チケット送料と別にサービス料500円ていい商売してるよなあ。

忙しいの合間をぬって行った水曜の立川流一門会。とにかくゲストの鶴瓶が最高! でもつるべと家元のとき以外はウトウトしてしまった……。あんなに好きだった志らくすら。もったいねー。会場が国立劇場の大劇場で、かなりいい席だったけど、やっぱ江戸前の落語には広すぎたと思う。まあなんせつるべ最強。ちなみに家元のネタは「金玉医者」でございました。

秋のひとり会では何を掛けるのか、いまからドキドキしてる。

2005/08/26

チケット争奪

なんかいそがしくなってきたー。週末は予定(遊びばっか)がぎっしり。しかし土日のメタモはチケット買ったのにキャンセル。前売りをオシャレ編集部のKくんが引き取ってくれてよかった。1万だもんな。そもそもPRIDE(ヒョードル×ミルコ!)のチケット争奪戦に敗れてヤケんなって行くことにしたメタモだったけど、土曜に現在最優先すべき快楽亭ブラック師匠の一門会が入ったことで×。そしたらその直後に日曜のZAZEN BOYS日比谷野音の招待券が送られてくるというゴッドタイミング! 以前某誌でやったインタビューをマネージャー氏がえらく評価してくれたらしく、本当にありがたいばかり。

しかし最近は熾烈なチケット争奪戦に敗れてばっかり。シルヴィ・ギエムなんて東京・千葉・埼玉、すべてS席狙ったのに、プレオーダーも一般発売も全滅。と思ったらe+から追加公演のメールが! 今度こそは!

10・11・12月と3ヶ月連続となる談志師匠のひとり会~秋三夜~はKさんと協力してだぶり覚悟でプレオーダーに挑み、Kさんは全滅、オイラは10・12月ゲット。もちろんKさんの分も買ってるので、あとはなんとか一般発売で11月分を手に入れねば。

そういえばこりずにまた「ウタモノの夕べ」を開催することに。日どりは9月23日(金・祝日)。詳細は近くなったらまた告知するとして、この日もまたまた別イベント(前回は談志師匠の独演会)のチケット買っちゃってたんだ。昨年もいった吾妻橋ダンスクロッシング。これホントお買い得な催しで、安いもんだから急遽、翌24日のチケットを仮押さえ。で買ってしまってた23日の分はたぶんゆくであろう友人Tさんに押し売りするハラで連絡してみると、Tさんすでに23日のチケット購入済みにも関わらず、「ちょうど誰か誘おうと思ってたから」と言って買い取ってくれた。なんていい人なんだ!

ちなみに9月23日にはツジコノリコさんのライブもあるのね(こんなこと書くと「ウタモノ~」の営業妨害かな)。リョウ・アライさんとのユニット・RATNのアルバム「J」のレコ発パーティ。レーベルサイトで試聴したんだけど、このアルバムものすごくよいにちがいない。いや買ってないのかよっていう(買うよ!)。

あともろもろ予定がいっぱい。サイドバー(→)もギュウギュウになってきた。ってオイラの予定なんか誰も興味ないよ。でもあれですよ見知らぬ女性(エビちゃん似)から「キャー○○行くんですかー? あたしも行くんですよー。もしよかったら一緒にどうですか」っていうワールドワイドウェッブの奇跡をいまだ信じているわけですよ。アイムドリーマーなんですよ!

BGVは空気公団『空風街 LIVE DVD』。楽しいなあ。

2005/08/21

CD Baby日本進出

mixiで知ったニュース。US INDIE好きなら一度や二度はお世話になってるかもしれない素敵ショップCD BABYが日本進出するらしい。それも向こうのカタログをまんま持ってくるんじゃなくて日本のインディ/アマチュア・ミュージシャンを中心にやってくみたい。すでに準備ページもあり。

CD BABYはフォークページをよくチェックしてて(カテゴリーに「like ani」とか「like joni」とかあるし!)、Dawn LandesとかLate Tuesdayみたいになかなかこっちでは手に入りにくいミュージシャンのCDを買ったりしたことがある。年内にスタートする日本版がどんな形になるのか分からないけど、すごくインディ愛が感じられるショップだけに楽しみ。

2005/08/20

蹴散らす快感

katamari2katamari2世の中には映画とか小説とかマンガとか音楽とかいろいろエンターテインしてくれるものがあるけど、けっきょく自分が一番好きなのはテレビゲームのような気がする。思えば新しいゲームを買うたびに学校をずる休みするようなガキだった。それで、あまりに好きすぎて放っておくと人生を狂いかねないので、大学くらいから意図的に遠ざけてきたふしがある。

だからやめときゃよかった。ちょっと時間があるからって新しい『塊魂』だけならいざ知らず『地球防衛軍2』まで買ってしまい、この一週間をまるまる捧げてしまった。

一度プレイを始めるとトランスというか心神喪失状態になってしまい、気づいたら平気で14時間くらいたってる。ホントどーかしてる。

仕方ない面もあって、二本ともオレの好きな「蹴散らし系」だった。最近じゃ『三国無双』とか、まんま蹴散らしメインなゲームもあるくらいで、古くはアーケード版『天地を喰らう』のマシンガン突きや『忍者龍剣伝』の首斬り投げ、ドラクエのイオナズン、あとテトリスの4段消しなんかも、とにかくあのズバズバズバッと標的を蹴散らす心地よさに弱い。ゲームならではの快感。『塊魂』だと3メートルくらいの塊で校庭に並んでる生徒たちを片っ端から巻きこんでったり、100メートルくらいのときにまだ壊されてないビル街を見つけて転がし入れる瞬間とか、『地球防衛軍』だと巨大アリの群れのど真ん中にロケットランチャーぶち込んだりとか、もーたまらん! それに『地球防衛軍』はやなぎくんも書いてるように、GANTZ気分(特に夜ステージ)に浸れるのもイイ! GANTZはいちおう公式にゲーム化されてるみたいだけど、たぶんそっちは操作とか複雑そうなのでスルー(偏見だけど)。というか、もうねゲーム封印。一週間も仕事サボっちゃったんだよ……。

2005/08/10

ブラックエイド!

昨日もブラック師匠と飲む。浅草の師匠行きつけの店。でもっていろいろと打ち合わせ。年末に向けて面白いことになりそう。

つくったばかりの情報サイト、さっそく移転しました。ブラック師匠にはてなってのがいまいちしっくりこなくて。というわけで新しいサイトはアダルトアフィリエイトで有名なFC2です。ここふつうのブログをつくるぶんにもかなりいいと思う。いまは公演情報だけだけどそのうちブラック師匠の日記も始まるかも。離婚と借金の先達でもあるターザンの日記(8月3日分に師匠登場)に刺激を受けたらしい。

nihoneigaでターザンの日記でも触れられてる『「四谷怪談」でござる』のビデオも貸して頂く。公開中に主演女優(林由美香)が亡くなり、おまけに監督は借金まみれってなあ、ターザンがいう「祟り」もあながち笑えないよ。とりあえずこれから見るところ。

ついでだから連載中の映画コラムも貼っとこー。あと名著『日本映画に愛の鞭とロウソクを』も。

2005/08/08

新生快楽亭ブラック毒演会

土曜日、立て込んでる仕事をうっちゃって快楽亭ブラック出直しの会に駆け込む。ラストの「マラなし芳一」しか聴けなかったけど師匠元気そうだし、お客さんも入ってるしでなにより。しかも終演後、神田の居酒屋で師匠とサシで飲んでしまった。いろいろあるけどともかくいまのブラック師匠は最高! 暮れにはあの伝説の24時間落語にまた挑むらしいし、ファンとしては見守るどころかついてくのも必死だよ。とりあえずウェブ上にも情報があった方がいいと思うので、ご本人にも進言し(師匠は携帯電話の履歴も見れないほどのアナログ人間)暫定的に公演情報サイトを作らせてもらいました。よかったら覗いてやってください。

「快楽亭ブラック立川流脱会」に関する家元のコメント
「落語とは人間の業の肯定」と言い切る談志師匠だけに「これぞ咄家の見本」というのはまぎれもない本音のはずなんだけど、世間的なしがらみで出入り禁止にせざるをえないという苦悩、自己矛盾、歯切れの悪さ……。

2005/08/07

空白の日

きみの日記の空白のページに
自由のかたちをした天使がおりてくる

2005/08/05

『頓智』と『紙プロ』

ここんとこ時間の感覚が妙で、10代の頃とか学生の頃のこととか頻繁にフラッシュバックする。なんでだろう『ヘビメタさん』のせいか? あと昔の雑誌を読み返すのなんかもおもしろく、いまだ捨てずにとってある『頓智』とか『(小さかった頃の)紙のプロレス』を隅々まで眺めたりしてる。仲俣暁生さんが日記で「雑誌というものは出てすぐ読んでもダメで、数年から十数年寝かしてようやく味が出てくる、そういうメディアになりつつある」って書いてたけど、そういうことなのかもしれない。ここにきて『頓智』も『(小さかった頃の)紙プロ』もかなりいい旨みが出てきてると思う。

それで『ユリイカ』が雑誌特集だというのでパラパラめくってみたんだけど、やはりというか自分がかつて偏愛した『頓智』や『(小さかった頃の)紙プロ』や『ビデオボーイ』のことは載ってなくてガッカリしたり(わずかに仲俣さんの原稿に「筑摩書房で『頓知』という不思議な雑誌を試みていた松田哲夫さん」という一文を見つけた)。まあそもそもそういう期待自体がまちがってるわけで、そんなボクの個人史知ったこっちゃないわけで。

ただ、『頓智』も『(小さかった頃の)紙プロ』ももっと振り返られていいというか、ネットとかで言及されてもよさそうなものなのにほとんど見かけることがなくって(『(小さかった頃の)紙プロ』なんて菊地成孔が「これは『カイエ・デュ・シネマ』ではないかとずっと思っていた」とまで書いてる雑誌なんだから、菊地信者はいまからバックナンバー全部そろえろー!)。でもなんとなくその理由はわかるような気もする。『頓智』も『(小さかった頃の)紙プロ』ももろ90年代雑誌なんだけど、その根底にあるのは80年代的知性というか、たとえばイトイさんだったり椎名誠であったり物事について難解な用語を使わず身の丈にあった言葉で思考していく類の知性のあり方で、そういうのはまちがっても「90sノットデッド」だとか「オタク/サブカル」的な切り口にはひっかからないからだろう。だけど同時に『頓智』にも『(小さかった頃の)紙プロ』にも90年代が強烈に刻印されてるわけで、どちらもシステムやらココロやらがどんどんこじれていくにつれそれを説明する言説やウンチクもどんどん難解になっていくという時代に、すごく「わかる言葉で考えること」をエンターテインしてくれた雑誌だった。

いつか誰かが『頓智』か『(小さかった頃の)紙プロ』の目録やら何やらをネット上にアーカイブ化してくれるだろうと待ってたんだけど、どうやら誰もやってくれそうにないので自分でやれる範囲でちょっとづつやってこうと思ってる。

2005/08/04

湯川潮音インストアライブ

湯川潮音インストアライブ@吉祥寺タワレコへ。ニューシングル「緑のアーチ/裸の王様」のレコ発。ついにメジャーデビューですよ。なんかうれしいようなさみしいような。なーんてエラソウにいっても以前にみたのもインストアライブだったんだけど。もー2年もたってるのな。

インストアライブで初めて聴いた新曲は一聴しておおメジャーだ、ってメロディー。けして悪い意味でなく。ただこれまでは重層的で含みのあった歌詞が、単純なポジティヴメッセージになっちゃってたような……。そのへんは売らんかなってのがあるのかな。とかいって『ジョンの魂』みたいな理由だったらごめん。

2005/08/03

立川談志独演会

今年の談志初め@カメリアホール。実は今年に入ってから二回もチケットとっておきながら二回とも行けない(一回は自分の映画の上映で、もう一回は例のDJイベントで)ってことがあって歯ぎしりしてたんだけど、なんと片方のチケットをmixi経由でお譲りしたKさんという方が、今回の独演会と月末の一門会のチケットをとってくれてもうなんと感謝していいやら。しかもこのKさん、むかし競輪記者時代に友川かずきと知り合いだったり、むちゃくちゃ音楽の趣味が似てたり、極度のサッカーきちがいだったりととにかくナイスな方で、もうこれからはKさんと一蓮托生で家元を追っかけていこうと決めた所存。

家元、この日の演目は「浮世床」と「つるつる」。「浮世床」はイリュージョンなんてもんじゃなく完全にぶっ壊れてみせるアドリブ芸で、もう70になろうって芸人であそこまでレイザーズエッジ渡ってみせる人もいないよ。「つるつる」もラストで一八に救済の道を示す談志流のサゲは変わらずながら、ところどころ破綻への志向が見え隠れ。一八が必死に幇間やってる姿に爆笑しながらも、なぜか泣けてきてしまった。あまりの壮絶さに。

立川談志という人は、ある時期(おそらく「イリュージョン」を言い始めたあたり)から古典のスタンダードな語り口に対し抱いている「破壊し飛躍する力」と「ねじ伏せ構築に向かう力」という分裂した指向性を自覚的に打っ放し、その両者に綱引きをさせることですさまじいテンションを手にし、しかもそのテンションを微妙な案配でもって自在にコントロールできるというとんでもない領域に突入していった。でもってそのテンションがピークに達した地点というのが自身も認めているとおり昨年演った「居残り佐平次」(生で観たっていうKさんがうらやましすぎる)ということになるんだろう。では現在は? というとこれが体力的な必然としてテンションの均衡は崩れ始め、破壊していく力の方が勝ってきちゃってる。でもねふつうは逆なんだよ! ふつうは「様式」だとか「枯れ」だとかといって構築のほうが勝ってくもんでしょう。なのにこの人はまだまだぶっ壊してその破綻をもみせてやろうっていうだもん。その先にある誰も見たことがない凄いものを見せてやろうって。

「いいなあ君たちは談志の晩年が見られて」と色川武大が亡くなる間際につぶやいたという有名な話、ついにそのときがきてる。もちろんできるかぎり長生きしてほしいけれども。Kさんとも話したことだけど、これはもう落語と呼んでいいのか、それともこれこそが落語なのか(例えば保坂和志にとっての「小説」のような)わからないが、いま立川談志が高座で見せているものってたぶん一般に落語と呼ばれてるものとは全然別のもので、あえていうなら「ドキュメンタリー」(もしくは「全身落語家」)と呼ぶのが相応しく思えてくる。昭和は遠くなりにけり。たぶん芸人であることをここまで極限のドキュメンタリーとしてさらけ出せるのはもうこの人ぐらいで、あとは可能性として松本人志がいるぐらいじゃないか(映画監督とか始めたりしなければ)。ともあれ、これから談志は観られる限りすべて観ていこう。

2005/08/02

世界水泳

気づいたら世界水泳が終わっててかなしい……。せっかくHDDレコーダーを導入したのにシュウシュウを追い切れなかった自分がふがいない。とりあえず、「応援が生ぬるい!」とスタジオの優香を叱るシュウシュウ、イアン・ソープに数十秒インタビューしただけで「彼はけっこういい奴ですよ」とペ・ヨンジュンと会見したあとの小倉智昭ばりに断言するシュウシュウ(ただしオグラと違ってシュウシュウは英語ペラペラなのだ)、100メートル平泳ぎ決勝に挑む北島について「冷静と情熱のあいだでがんばってほしいです」と真顔でコメントするシュウシュウ、はチェックできたんだけど。あとブルガリアだかどっかの女子選手の肩に漢字で「運」と彫ってあったのがよかった。どんなに努力しても「あいつ運がいいから」で片づけられちゃうっていう。

2005/07/28

ゴルドーがいた

psyacolo
ジェラルド・ゴルドーのことを忘れていたなんて、なんと愚かなことなんだろうか。
(菊地成孔『サイコロジカル・ボディ・ブルース解凍』)

しつこいようだけど「極道」と「競技者」の話。そうだよ極道ならぬゴルドーがいたじゃないか。さすが菊地成孔、自称ヘルマン・レンティンギストにしてギルバート・アイブリスト!

菊地はいう、「ゴルドーかブロディがいる世界だけがリアルな世界なのだ」と。プロレスに格闘技、それに野球や競輪や将棋の世界にも「ブロディやゴルドーは必ずいる」。だけどシューティングには「ゴルドーもブロディもいない」、Jリーグにも「絶対ゴルドーはいない」。理由は簡単だ。シューティングもJリーグもそこには「競技者」しかいないのだから。

ただこのゴルドー、殺るときは殺るみたいな、煎じ詰めれば極限化したアマチュアリズムでしかない軍隊イズムや己の誇り(自己満足)のために捨て石になる鉄砲玉とも違う。菊地のいうとおり「ドールマンのような『怖くて強いが優しい善人』か、ボックのような『金と権力を持った残忍な変質者』のどっちか」でもない。そのどれでもないゴルドーは、「『傭兵』という、個人主義と軍隊の混合イズムの具現のようにして、まさにオランダそのものだ」と分析してみせる菊地の手つきのじつに鮮やかなこと! うーんエレガント。
日本人の胃弱な消化能力の前にゴルドーは立ちはだかっている。善悪と敵味方、信頼と不安、プライドと報酬、殺害と防衛。(略)ゴルドーはオーちゃんが新日本プロレスに単身喧嘩を売りに行くときに、用心棒として傍らについていた、ゴルドーは浅草キッドとバラエティーに出た、ゴルドーは中井の目を(完全に意図的に)指で失明させ、選手生命を奪った、ゴルドーは猪木に友情を感じている、ゴルドーは倒れている相手の顔を何の躊躇もなく蹴る、ゴルドーは金のためにテキトウなパンチも出す、ゴルドーはいじめられっ子に復讐の方法を教え、社会復帰させている、ゴルドーは戦う前からどちらが強いかわかっている、ゴルドーはブラインドを突いて相手の耳や肩を平気で噛みちぎる、それを指摘されるとギャグを言ってごまかそうとする、ゴルドーは演技が大根なのに芝居がかるのが好きだ。ゴルドーの全身の入れ墨、ゴルドーのネズミと大泉滉に似た残忍そうで間が抜けた顔。まだまだジェラルド・ゴルドーは日本人には難しすぎる。

2005/07/26

MCバトル

mcbattleきのうは六本木でHipHopパーティ・オールナイト。mikaihooくんがMCバトルにエントリーしたのでついていく。結果やいかに……というのはまた別の機会に譲るとして、やっぱりここでも「極道」と「競技者」の違いについて考えてしまうのだった。

ほとんどが10代の子たちなんだけど、まあみんなうまいこと! すげーうまい。へたすりゃ小学校からフリースタイルやってるっていうんだから、ラップをテクニックとして学習した世代とは成り立ちが違うというか。中曽根内閣のころからオナニーしてる(@横須賀歌麻呂)オレなんか隔世の感ですよ。ただどうにもねー高野連の臭いがプンプンしてんの。汗と涙は裏切らないみたいな。やる前からシェイクハンドしてるの見え見えで、形式上はディスっても口がくせえとかどうでもいいことばっか。けっきょくバトルっていっても「競技」としてのそれで、殺るか殺られるかっていう「闘い」はみえなかった。

もちろんそんなもん高望みなのは百も承知で、でもたとえば「アスリート(競技者)」の権化ともいえるKrevaが去ったB-BOY PARKで二人の「極道」が見せたチンピラの流儀()はあそこにいた若い子たちにだってすごくリアルに響いたはずなんだ。

とかいいつつもじゅうぶん楽しんだ。クラブやライブハウスで名前も知らないDJの、バンドの、きったねー音ででも腹にズンズンくるよーなのは楽しいねやっぱり。家でCD聴くのよりも気分。ついでにおしゃべり&口コミも最高。雑誌やネットより人づてに聞く情報の方がはるかに有益だったりする今日この頃。この日も10代に混じってオレより年上のMCがフリースタイルやってて、一人奥菜恵の離婚をフロウに乗せてたり手にはなぜか『ツービートのわっ毒ガスだ』を持ってたり(インスピレーションの源らしい)。で、話してみれば元芸人の方で共通の知人もけっこういたり。なかなかおもしろそうな活動や企みなんかを聞かせてもらった。あああオレもなんかやりてええ! 中二病? ……というかやらねばならないことは山積みなんだが。

あ、あとユウ・ザ・ロックもきてた。ふつうにみんなテレビの裏話とか聞いてて意外!っていうかかわいかった。若いっていいなあ。皮肉ぬきにそう思うよ。ま、オジサンもね響鬼見習ってがんばりますよ。鍛えてますからって。

マキタさんの明石家さんま論がおもしろー。極道をはるかに超えたお笑い怪獣。容赦なく善悪なく破壊しつくすガォォオオ!

2005/07/24

真夜中の大かま騒ぎSP

25時間テレビおもしろかった!といってもちゃんと観たのは今年もかま騒ぎだけなんだが。M-1のようなネタ番組が競技化された格闘技だとすれば、あれは初期UFC以上のノールールバトルだよ。しかもバトルロイヤル。そりゃあ極道モンがいっとう強いに決まってる。というわけで今回も誰が「お笑い極道」で誰が「お笑い競技者(アマチュアリズム)」なのか白日のもとにさらされてしまったのだった。ついでにさらされた佐野アナの外道っぷりもナイス! そしてさんまの「お笑い怪獣」っぷりはいうまでもなく。というわけでとりあえず来年から吉本には暴対法を適用すべき!

2005/07/22

『いつか読書する日』

itsukad

きのうユーロスペースで『いつか読書する日』鑑賞。素晴らしき映画。本格メロドラマと銘打つだけあって純愛あり不治の病あり二人乗り自転車もありなんだけど、冬ソナのようなファンタジーでもなく、電車男のようなネタでもなく、セカチュウのような白々しさも感じさせない図太い演出に安心して身をゆだねてしまった。ようするに泣いたわけですね。

メロドラマでありつつ絵空事に見えないのは、田中裕子扮するヒロインの刻む生活リズムが終始映画の基底音として流れているのも大きい。早朝の牛乳配達、長い坂の前での「よしっ」という掛け声、ペダルの回転音、パートのタイムカード、深夜の読書……。そういうリズムをたいせつに守って生きている人たちの映画でもある。ヒロインの生活が拡散しながら町全体に広がり重なっていくラストシーンにぐぐぐっときた。

2005/07/21

わたしだけ…

だいたひかると斎藤美奈子は似ていると思う。わたしだけ?

2005/07/20

夏のおくりもの

okurimono火曜日、ふちがみとふなとパスカルズのジョイントライブ「夏のおくりもの」@スターパインズカフェへ。

ふちふなこの日のためのステージ衣装披露、渕上さんと石川さんのハブ・マングース対決、「はじめまして」にのってパスカルズご挨拶(庶務の田中さんとか)、客席を走り回る石川さん、パスカルズによるふちふな「お店やさん」のへんてこカバーなど名場面続出!楽しかったー!

それにしてもふちふなはほんとカバーがうまい(もちろんオリジナルもいいんだけど)。ダニエル・ジョンストン「歌う人」やっぱりよかったし、CSN&Yの「Teach Your Children」(もちろん日本語詞!)がとにかく絶品! ニューアルバム『ヒーのワルツ』にも入っとります。ぜひ。

2005/07/19

NOAH東京ドーム大会

東京ドームといえば、おととしPRIDEミドル級GP二回戦で来たが、純プロレス興行でということになるとじつに猪木の引退試合(1998年4月4日)以来。やはりおととしの新日ドーム(アルティメットクラッシュ&小橋参戦)はかなりそそられたんだけど、それこそあのときは新日を追んだされた橋本のほうに足を運んだのだった。ナイスジャッジ自分!

noah0718というわけでノア東京ドーム。心構えしていた橋本追悼10カウントはなし。その代わりといってはなんだが小橋×健介のとてつもない熱さがさまざまなことを雄弁に語っていた。あえてひとことで言えば「プロレスを見よ!」 ってことだろうか。プロレスでしかありえない攻防、プロレスでしかありえない興奮。ちょっと涙がでそうになった。

ああ、せめてあのレベルの試合がもう一試合ぐらいあったらなあああ。目玉の「DESTINIY」三沢×川田、最大の敵は過去の自分たちだった、という感じ。かつての名シーンを目の前で再現するんだけど、いかんせん肉体の衰えが微妙な誤差を生んでしまうわけで。切なかったなあ。あれが全然動けないんなら新機軸という手もあるんだろうけど、それほど動けてないわけでもないってのがまたなあ……。一緒に行ったKさんがうまいこと言ってた。「同窓会でむかしあこがれだった子に再会して、やっぱかわいいんだけど、近づいてみると小ジワがちらほらっていう。でも会わないで悶々とするよりは会ったほうがいいじゃない」だって。まあ会わないで美しい想い出のまま残しておくって手もありつつさ、やっぱ会ってよかったんだよ。元気でやってたわけだから。
そっちはどうだい うまくやってるかい
こっちはこうさ どうにもならんよ
今んとこはまあ そんな感じなんだ
(青春狂想曲 / サニーデイサービス)
蛇足ながら、個人的にもっとも「DESTINIY」を感じたカードはこれ。長年プロレスとつきあってきた者からすりゃ何通りDESTINIYがっつう話ですよ。

2005/07/18

弘前劇場 「ケンちゃんの贈りもの」

日曜日、津軽弁を浴びたく弘前劇場の公演へ。これが地味シブっ! 渋谷のクラブ取材からのハシゴだったのでなおさらそう感じたかも。そういうギャップはとても好ましい。

kenchan青森市の郊外で二人暮らしする父(79)と息子(49)。二人は義理の親子で、父は息子の嫁さんの父親。その嫁は8年前に亡くなっている。この日は父の三寿のお祝い。わざわざ写真屋を呼んで記念写真を撮ったり、寿司を囲んだりと和やかな時間が流れる中、父から息子への突然のプレゼント。養子縁組の書類と見合い写真、おまけに見合い相手まで家に呼んであって……。と、ここまでややコミカルな味わいなのだが、息子がその見合いを不可解なほどに拒絶するあたりからブルースが加速していく。息子のほうも父親にプレゼントを用意していて、それがなんと老人養護施設への入居(!)だという。しかもこちらもすでに職員を呼んであるという手際のよさ。「これがあんたのプレゼントか!?」絶句する父。観てる方もなぜ?なぜ?の嵐です。そこから徐々に秘密が明かされ、じつは自分は若年性の認知症(アルツハイマー)なのだとカミングアウトする息子。言われてみれば写真やメモなど伏線もあったり。暗い食卓で寿司をむさぼり食う二人……。

というブルージィ極まりない内容。いろいろ考えさせられました、なんて書きそうになるがそんなときはたいていなんも考えてないわけで、正直に告白するとあまりひっかかるものがなかった。つつがない話運びがかえって一義的というか。また、これが家に帰ったらちょうどEZ!TVでも若年性認知症の特集をやってて、「障害者年金の申請用紙を書こうと思ったらもう字が書けなくなってて、悲しかったあ。あんなに悲しいことはなかった」って笑い泣いているおばさんの姿がなんとも深かったりするんだ。別に比べられるいわれもないだろうが、EZ!TVよりは印象残してほしかったんだよなあ。

2005/07/17

MIKUNI YANAIHARA Project 「3年2組」

PRIDE GP決勝戦のチケット、油断してたら買いそびれた! …んむうっ!

 金曜日、吉祥寺シアターでニブロール矢内原美邦の新プロジェクト、MIKUNI YANAIHARA Project「3年2組」をみる。
ニブロールでも短いセリフが入ることがあるが今回は演劇作品ということでたっぷりのセリフ廻し。なーんてたっぷりどころではなく早口言葉かってくらいに早回しの3倍速!&スキップサーチなみのダイジェスト展開。役者のダンスっぽい動きは、そのスピードに喰らいついたり、振り回されたりしている姿のようにすら見えた。枯れた喉も痛々しい。言葉と身体のガチンコ90分一本勝負!
ニブロールのダンスを観ていると子どもの頃のチクっとした記憶(その多くが他人とのコミュニケーションで負うような)が刺激されることがあって、演劇作品である今回はそのへんもすこしわかりやすく描かれていた。「わかりやすく」といっても3倍速で見るとろサーモンの漫才みたいなんだけどな。

アフタートークで矢内原さんsaid「誰もが経験するささいな出来事(@それぞれの3年2組)、戦後60年、さまざまな記憶、歴史、永遠の時の流れ…etc、そういうものすべてを一瞬に凝固したものとして感じさせたかった」とのこと。
ダンスでは最初から最後までその「一瞬」そのものを表現してるんだけど、演劇ではどのようにして「一瞬」に結晶していくのかそのプロセスが描ける、とも。そこでゲストのチェルフィッチュ岡田利規さんが「ぼくは演劇でも最初から最後までその『一瞬』だけを扱う方が面白いんだけど」って横ヤリを入れてたのが興味深かった。

2005/07/15

リアル長兵衛

快楽亭ブラック師匠が大変! 『文七元結』は春のブラック祭りのときも掛けていて、というかまともな噺は『英国密航』と『文七元結』(ただしサゲをいじった「元結(もっとい)」ならぬ『文七ぶっとい』)だけだったので同行したF君と「古典を演ってもうまいんだよねえ」なんて感心してたんだけど、まさかご本人がリアル長兵衛状態だったとは! なにぶんブラック師匠のこと、芸人としてやんぬるかなという面もなくはない。でも、離婚と、それからあんなにかわいがってたご子息に会えないのはつらいと思うよ、ホントに。

もうこうなったらタイガー&ドラゴンの番外編で長瀬クンが『イメクラ五人廻し』、岡田クンが『一発のオマンコ』演るしかないよ! そんでトリでドンちゃんが『長編歴史ドキュメント落語HIROHITO』をかませば完璧! ドラマで落語に興味をもった平成のデルフィン達もブラック師匠の虜になること間違いなし!

いや、冗談抜きでなんとか応援したいです。

2005/07/14

さらば垂直落下式DDT

垂直落下式DDT日記
「私が知っている破壊王は決して豪快なだけのプロレスラーじゃなくて、繊細で傷つきやすい寂しがり屋さん」
マイミクの方の日記コメントで知ったキャスター・ミタサヨコさんの日記。いかんまた泣けてきた。

七尾旅人の破壊王追悼歌
大きな大きな体の中の
大きなリングの上で
大きな魂が踊っていた
破壊王 破壊王 破壊王
あんな橋本やこんな橋本、いろんな橋本を思い出してしまう……。

2005/07/13

大塚ひかり 『美男の立身、ブ男の逆襲』

テレビで『スターウォーズ ジェダイの復讐』。R2-D2がぶっ壊れるシーンでハンもレイアもノーリアクションなのには笑った。思い入れゼロかよ! 『河童の三平』のトリが死ぬところ思い出しちゃったよ。

buotoko大塚ひかり『美男の立身、ブ男の逆襲』読了。以前紹介したブス論の名著『太古、ブスは女神だった』の男版といった趣。『太古~』に比べるとやや痛快度で劣ってしまうかも。世渡りみたいな話が多くて醜パワーが足りんの。とはいえ菅原道真のくだりで突如炸裂する学者ディスとか、やっぱり面白い。

そういえば『太古~』の方は最近、まんま『ブス論』と名を改め文庫化したそうな。これホントおすすめです!

2005/07/12

さようなら破壊王

hakaiou

あれだけ長いことIWGPのチャンピオンだったのに、記憶のなかの橋本はトニー・ホームや天龍、小川にこれでもかってくらい負け続ける。もういいかげん勝ってもいいだろうってところでさらに負ける。ゴールデンタイムに「負けたら即引退スペシャル」を組まれ、本当に負ける――。

それでも立ち上がってくる橋本は不屈の人だった。陽気なトンパチ、器のデカさ、破壊王というニックネーム。どれをとってもプロレスラーらしいプロレスラーだった。

ゼロワンの会場であの爆勝宣言が流れるなかハシモトコールできたことは、ぼくのなかでプロレスにおける最後の美しい思い出となりました。ご冥福をお祈りいたします。

2005/07/11

声に出して読みたい響鬼

くりかえすようだが響鬼がすごい。今回なんて迷える後輩・轟鬼に対する響鬼のアドバイスが「へそ!へそ!」だもん。もう斉藤孝か野口三千三かって話で。この国には「へそ!」で通じる身体感覚がたしかにあって、迷ってたり、浮き足立ってたり、キレそうだったりする人間に対してはまだまだ有効なアドバイスだったりするけど、実際に仕事現場のような実践で使われる機会は少ないわけで。だというのにこの響鬼はそれを日曜朝の子供番組の中にさらっと盛り込んでしまうんだから。

あともう一つよかったのが、これも響鬼から轟鬼へのアドバイスで「飯ばっか食ってないでもっとおしゃべりしろよ」ってやつ。いいなあ。宮本常一の本なんか読んでると、むかしの百姓って飯どきにかぎらず仕事中もずっとくっちゃべってたっていうじゃない。仕事中は私語を慎しむべし、なんて経済効率主義のせいでしょ。ながら会話っていうかそういう気散じのおしゃべりは大切よ。おしゃべり超重要! だいたい「対話」なんて舶来品のくせにおしゃべりよりも位が高いとされてるけど、あんなのたいしたことないんだから。「相互理解」なんてほとんどが気のせいですから。それよか、たわいないおしゃべりで笑ってる方がココロにもカラダにもはるかによいて。

2005/07/10

カレー曜日

「エンタ」の姫子さま、完全にネタいじられてたなー。あんなわかりやすいネタはじめて見た。だからエンタはやなんだよー。いくら老若男女みんな笑えるってコンセプトだからって視聴者ナメすぎ。

0711simokita今日は響鬼みて、ちょこっと仕事したあと下北沢に移動。東洋百貨店の軒先でミホミホマコトwithエマーソン北村のストリートライブを覗く。ミホミホマコトはその音楽活動におおいなる自由をはらむお三方、もりばやしみほさんと朝日美穂さんと川本真琴さんのコーラス・ユニット(持ち歌はすべてスクーターズのカバー)。着物姿がじつにキュート!まぶしすぎ!

momocurryその後シモキタをうろつこうと思ったけど、街のヤングさに圧倒されてダウン。学生の頃まではこんなに居心地のいい街もなかったんだけど……。けっきょく吉祥寺に舞い戻り、新しくできたカレー屋momoで夏野菜牛スジカレー。現在のマイカレー暫定チャンオピオン・Oh!INDIAに似ている味。おいしゅうございました。

帰ってからはちょっと寝て、たまってる『スターウォーズ』の録画をやっつけた。

2005/07/09

Soul Flower Unionライブ

愛しの愛奴人形姫子さまが本日テレビ(日テレ夜10時「エンタの神様」)にご出演されるようなので、みなさんチェックしてみてねん!!

昨日はお世話になってる編集&デザイナーさんとソウル・フラワー・ユニオンのライブ@渋谷DUOへ。すごく充実したライブだったんだけど大勢を占めるファンの独特なノリについていけない自分がいて、あれ?あれ?と、とまどってしまった。閉じたサークルというか、開けてる感じがしなかったんだよね。もちろん、ファンが集まるのがライブなんだからそれがいいのってときもあるんだけど、ソウルフラワーだけにやってる音楽とのギャップが際だってしまってて。いままでそんなこと感じたことなかったのになんでだろう、オレの方が変わってしまったのかな。

とはいえ一足早く聴かせて頂いたニューアルバムは最高でした! やっぱり幅広く聴いてもらいたいと思うのです。余計なお世話だとしても。

ライブ終わりで飲んでたら、デザイナーさんからむかし友沢ミミヨさんらと演劇をやってた話とか、タコシェの創設を手伝ってた話その他なんかがぽろぽろ出てきてビックリ。ただのおっぱいパブ好き(Yさんすみません!)ではなかったのですね!

2005/07/08

「ヤング・マーブル・ジャイアンツ」追補

なんにも経験していない青春時代を思う
ばかばかしくて 楽しかった
とても素敵で 若かった
(Salad Days / YOUNG MARBLE GIANTS)

2005/07/07

KERA・MAP#004 「ヤング・マーブル・ジャイアンツ」

仕事先の人に「きのうウメヤマさんが夢の中でハセキョーと結婚してたんですよ。でもなれそめを聞いてもぜんぜん教えてくれないんですよー。その教えてくれない感じが微妙に自慢されてるようでムカついてしょうがなかたです」と言われた。それは教えなかったというより、オレがハセキョーとつきあい始めるという、あまりにも高負荷な仮想現実処理を君の脳があきらめたからだと思うよ。

youngmarble土曜観たKERA・MAP「ヤング・マーブル・ジャイアンツ」、よかった。そもそもYoung Marble Giants好きだし。生とか死とかホントのこととかくだらないこととかとっ散らかってて、かつて夢中だったころのナイロンを思い出したり。幸福な記憶。それでなおさらナラティヴが錯綜するラストにぐっときた。新しい劇場のそれもオープニング公演でしっかりポコチンを見せてくる(※)律儀さにも拍手!

※かつてケラはくだらないことの中にホントのことを紛れ込ませることを、「チンチン見せることを恐れない」というような言葉で表現していた。といっても今回は本物のチンコ(&レディのヘア)も見せてたわけだけど。

ニュー塊魂もう出てる!!  が、いま買うのはヤバすぎる……。

2005/07/04

吉祥寺シアター

theater0702玄関あけたらKERA・MAP。というわけで個人情報が漏れるーってくらいの距離にオープンしてしまった吉祥寺シアターです! ここらは、コンビニの店員がそろいもそろってギャングだったり、毎晩デリヘルのバンが路駐してたり(吉祥寺は人妻デリの聖地!)、夜も白みはじめると必ずといっていいほどどっかのキャバで「天空の城ラピュタのテーマ」→郷ひろみ「アチチ」というレパートリーが歌われたりする風俗街の一角なのですが、地代やテナント料が安いこともあって最近じゃ若い人の小洒落た店が増え、それはもういじらしいまでにオシャレエリア化を図ってるわけです。ラブホとかピンサロの新規出店を規制するためど真ん中に図書館つくってみたり、4月には都条例の施行があったり。そんな流れでトドメの吉祥寺シアター、キター!ていう。「地球はまわる~♪」ていう。もうねキャバ嬢が歌うラピュタのテーマも切なく聴こえてくるの。手をつないで「バルス」なの。あとにはデリヘル(出張型風俗)しか残らないからきっと。

ああKERA・MAPについて書こうと思ったのに……。

2005/06/28

PRIDE GP 2005 2nd ROUND

会場の温度を1度あげてた(これのせい)のもあってか、それなりに熱気に包まれたミドル級GP二回戦でございました。日本人にとっては過酷な現実が突きつけられる中、カズ中村がひとり気を吐きひょうきんプロレスを見せてくれたし(クールビズみたいな道衣脱いだ瞬間にパンチをもらってKO負け)。そんなとこでカズまでチーム・マイナス6%入りをアピールしてどうすんだよ!

それにしてもヘビー級はレベルが上がりすぎちゃって、老婆心ながらこの先の興行を心配してしまうよ。金メダリストでなおかつ総合用に相当トレーニングを積んできたとしてもまだまだノゲイラに余裕があったりするんだもんな。求むニューカマー!! ただしそれは西島洋介山ではないと思う。

2005/06/26

DRAGON GATEとDragondoor

仕事がらみでDRAGON GATE観戦。闘龍門(DRAGON GATEは闘龍門から分裂してできた団体)は日本初上陸したとき横浜文体で観てて、それ以来だから6年ぶり。当時はかなりルチャルチャしてたけど、今回観た試合はどれも飛び技は控えめ(後楽園向けだったのかも)、四天王プロレスとか新日ジュニアっぽい感じ(あとやっぱ邪道外道か)。ただ違うのは全員がイケメン&セクシーだということ。そりゃ女性に人気でるよ。メインの媒体もプロレス雑誌じゃなくて『ぴあ』だっていうだもん。

DRAGON GATEはお台場毎日プロレスとかフジテレビのバックアップを受けてるわけだが、闘龍門残留組の方にはなんとライブドアがついたっていうのはできすぎだろ。団体名なんてDragondoorだよ。これはアングルなの!? ライブドアはいつもそうだ。虚と実の配合が絶妙すぎ(=生々しすぎ)。もちろんホメてる。

明日はPRIDE。当日地上波放送もあるけど、やっぱり行くことにした。

2005/06/20

ルノアール兄弟オフ

土曜は矢部さんの写真展へ。二三年前はじめて見せて頂いたときとタッチがずいぶん変わっていて、その変わりようがとてもよかった。京都に越すというので家賃を聞いたらずいぶん安い。というかこちらがやっぱ高すぎなんだよなあ。

夜、懐かしい人と長電話。久しぶりすぎておたがい敬語多め。でもあとから送られてきたメールには「酒井法子の初期シングルを聞け!」てエラソーに書いてあって嬉しくなる。

日曜は行く予定だった佐藤真×稲川方人イベントをパスして「ルノアール兄弟」コミュのオフ会へ。人生初のオフ会参加。ニックネーム@ミクシィで呼んだり呼ばれたりしたけどなーんも抵抗なかった。グレート・ルノアールなお二人を目の前にしてニックネームか本名かなんて些細なこと。現時点でのマスターピース『獣国志』に曹操のイラスト入りサインを頂き悶絶。それにしても同業者率が異常に高かった(昔の同僚にも再会)。

石川忠司さんの新刊がもう出てるらしい。もろもろ片づけて早く読まなくては。月末には保坂さんの小説論(『新潮』の連載をまとめたやつ)も出るみたい。

2005/06/19

Musical Baton

こういうものは「参ったなー回ってきちゃったよー」ってスタンスが一番かっこよさげなわけで、人に頼んで回してもらうなどという行為はもっともイケてない部類に入るのでしょう。それをやってしまったのがかくいうワタクシめでございます。solosoloのBYEさんにネゴシエーションして回して頂きました。感謝。恥を忍びそこまでする理由はただ一つ。バトンが回せるから。回すことにかこつけてぜひともご紹介させて頂きたい方々がいるから。

― Total volume of music files on my computer (コンピュータに入ってる音楽ファイルの容量)
6.85G
なぜかACIDのループ素材がけっこうある。CDをリッピングする習慣はまだない。

― Song playing right now (今聞いている曲)
Tour Is War / Josh Martinez (『Midriff Music』収録)
自称「冬のブルーズのためのサマーミュージック」って! かせきさいだぁ≡ゴコロを直撃。

― The last CD I bought (最後に買ったCD)
What Comes After The Blues / MAGNOLIA ELECTRIC CO.
いつのまにか新譜でてた。

― Five songs(tunes) I listen to a lot, or that mean a lot to me (よく聞く、または特別な思い入れのある5曲)
32 Flavors / Ani Difranco
Blue Monday People / Curtis Mayfield
赤い戦車 / 戸川純
ロングシーズン / フィッシュマンズ
Oneway Generation / 本田美奈子
5曲はきびしー。

― Five people to whom I'm passing the baton (バトンを渡す5名)
きたー!これこれ! 以前からアンテナに入れてくださったり、こちらからものぞかせて頂いてる素敵サイトをバトンでもなんでもかまわないからご紹介したかった。ネットの喧噪から離れて穏やかにやっておられる方たちなので迷惑かもしれないけど、こんな機会でないとなかなかリンクもできないのでお許しください。スルーしてもらって一向にかまいませんので。では、参ります――

一人日記のmasakitiさま
西日本(広島ですか?)に住んでおられます。この方の日記を読んでるとあたりまえのことだけど、同じ音楽を聴いてても見てる風景が違うのはとても不思議で楽しいことだなあと思ったりします。

濡れ手で阿波踊りのナカヤマさま
この方は以前、勝訴505というかなりオモロなサイトをやっておられました。しばらく姿を消しておられたのですが、いつのまにかブログを始めており、しかもディランやデッド等についてけっこうな頻度で言及されるので二度ビックリ。最近はエログにも手を出しており目が離せません(アフィリエイト的にも)。

OUT-1 FILMさま
私の気になってる映画や音楽について非常に濃密なレビューをアップしてくださるありがたい方です。しかも速い。この速さは重要だと思います。一度掲示板に書き込みをしてくださってすごくうれしかった。

ねる/ねる/ね/る/ねのyummuuさま
気になるサイトの管理人様が同世代なのはよくあることなのですが、この方の日記を読んでるととりわけニッチな同世代感を刺激されジーンときます。そんなこと言われてもご迷惑かもしれませんが。

みしりごしさま
とてもとても静かなサイトです。私が一方的に紹介させて頂きたかっただけですので、バトン云々は気になさらないでください。「野本三吉」(私にとって大事な方です)で検索して辿り着いたのが最初だったと思います。さかなを愛しているという一点でもうこちらは勝手に同胞気どりです(すみません)。アーニー・サイトにリンクして頂いたときはうれしかったです!

以上、ただただご紹介させて頂きたいがためのバトンでございました。Fancyさまの続・そんな菜っ葉知るか(バレエとコスメと修斗についての濃ゆい記事が混在する恐るべきサイトです)がプライベートモードになっててよかったです。でないと紹介したいサイトが6つという事態になってたので。

2005/06/15

佐藤真オールナイト

ちょっと時間たっちゃったけど、佐藤真と諏訪敦彦っていうわが人生における二大アイドルとすごした(といっても話聞いて、映画観ただけなんだが)「佐藤真オールナイト」第二夜、最高だった。なんといってもお題がマルグリット・デュラス! 自分にとっては一年分の映画体験に匹敵する一夜だった。時間と記憶をめぐる映画、というか映画そのもの。だってたとえば『H Story』の壮絶さ、あれ映画でしかありえないよ。『アガタ』も。デュラスは『ラ・マン』ぐらいしか知らなかったんでショック。眼に映るイメージと聴こえてくる声とが完全に切りはなされちゃってるんだけど、そのことでとんでもない記憶の器になってんの。すげえ。かつて石川忠司さんが書いてた「イメージ的にはスカした『女流作家』だが、なかなかどうして太棹の響き。ナイスなババア。若い頃はいい女」、いまならウンウンうなずいてしまうよ。

佐藤さんから重大なプロジェクトについて聞く。おまけに「ウメヤマくんもぜひ参加してください」と言われ、もうどうしていいわからなかった。なんせそれは長いこと自分が運命的に関わらざるをえないと思っていたテーマだったから。感謝と驚愕。

今週日曜日(19日)の稲川方人さんとのイベントも行く予定。

ibukiでもってあまりにも興奮しすぎてオールナイトから帰っても眠れず何をしてたかも思い出せないような状態が20時間くらい続き、案の定反動で二三日をつぶし、そしてそれらのしわ寄せがまとめて襲ってきてるいま現在、現実逃避中。

最近威吹鬼でてこねーのな。

2005/06/10

あらかじめ日記

アイデン&ティティのとこで「みうじゅん」って書いたら、みうらじゅんさん絡みの仕事キター! 似たようなことはこれまでも何回かあって、なんだここはあらかじめ日記ですか!?
もしそうなら某社に持ち込んだムック本企画も通りますよーに!

ippudo一風堂の赤丸ッフゥー!!
HGってじつは芸歴長いのでアドリブきくのがいいよね。

それにしても、ハッスルはこのタイミングでまたスコット・ホール(a.k.a.レイザー・ラモン)呼べばいいのに。(というこれもあらかじめ日記。)

2005/06/08

スピリッツの魂

いえーいCドライブがとんだぜ! すがすがしいぜー

というわけで、これまでの全メールと大量のエロブックマークがお逝きになりました。なんでサイト持ちやマイミクシィでない(もしくはミクシィ放置の)友人・知人の方々は一行メールでいいんで飛ばしてください。お願いしまっす。
なお、こんなこともあろうかと大事なデータ類は別ドライブに置いてたのでぜんぶ無事でした(期待にそえずスマン!)。

『シガテラ』最終回よかった! スピリッツの『20世紀少年』も終わりそうな雰囲気漂ってきたなー。それにしてもここの、
現在週刊誌としては最大の発行部数に達した『ビッグコミック・スピリッツ』は読んでない方には想像もつかないだろうが、実に「コア」な漫画雑誌である(私のところには、名越先生のご厚意で、毎週小学館から送られてくる)。
読者層がものすごく狭い幅で限定されてのである。
つまり、十八歳から二十四歳くらいまでの就活中、NEET、引きこもりなど、将来が決まらないでうじうじしている男性読者をメインターゲットにした雑誌なのである(そんな雑誌があるんですよ。驚くでしょ。
たしかに、ひきこもりが新しい種に目覚めたり(『オメガトライブ』)、フリーターが深夜のファミレスで延々だべってたり(『THE 3名様』、DVD化!)、キモメンが仮想現実の美少女にはまったり(『ルサンチマン』)、自殺志願者がバンド組んだり(『GO!GO!HEAVEN』)、40男が80年代バブルな青春を回顧してうじうじしたり(『東京エイティーズ』)、高校中退したNEETが昼間っから公園の砂場で城つくったり廃材ひろったり(『中退アフロ田中』)……。最近のスピリッツがやたら後ろ向きにアグレッシブなのはだれの目にも明らか。けど、
ともかく、この読者層の精神的な脆弱性が日本社会の「弱い環」であることは間違いない。
と、言いきられてしまうとなあ。漫画ゴラクを読んでるのはみんな肉体労働者だ、みたいな。だいたい内田先生は大事なことをひとつ忘れてるよ。あの最高にイルでラグジュアリーな超人気漫画のことを!!

精神的な脆弱性!?

2005/06/03

ディランはピエロか

DVDで『アイデン&ティティ』。あんな都合のいい天使みたいな女の子いないよ!ってツッコミは原作からのお約束として、問題はディラン! ノッポさんじゃないんだから。しかもピエロムーブだし、しゃべると合成音だし。むかし何かのインタビューでみうじゅんが言ってた「ディラン役はパンタさんしかいない。後ろ姿で出演してほしい」、でよかったんじゃないのか? (ちなみにパンタさんは映画冒頭のインタビューで登場)

8月に『ルート1』上映会があるみたい。クレイマーの作品ってそのほとんどがインディペンデントな環境でつくられたので権利関係が複雑で、DVD化はおろか上映するのもなかなか難しいらしい。ぜひこの機会に観ておくことをおすすめします。
※むかし『ルート1』について書いた拙文(ほんとにつたない) →
※ロバート・クレイマーについてはこちらにいくつか →

2005/06/02

『トレイシー・ローズ』 トレイシー・ローズ/野澤敦子訳

先週末オール2連荘で遊んだら、カラダきつ! なんでここ二三日は本読んだりゲームしたりまだ行ってないラーメン屋ためしてみたり。麺屋武蔵の支店、うまかった。

tracyrose友人Tさんより頂いた『トレイシー・ローズ 15歳の少女が、いかにして一夜のうちにポルノスターになったのか?』(いくつかねじ込んでおきましたー>Tさん)読了。トレイシーといえばここ日本でも最も名の知れた洋ピン女優だし、MTVアワードにガンズ・アンド・ローゼスのスラッシュと腕組んで登場したシーンなんかもけっこう印象に残ってるんだけど、そういうトレイシーにまつわるエトセトラってぜーんぶ引退したあとのことだったのね。というかトレイシーって未成年でポルノに出演してたんで、最後はFBIに保護されてんだ。そんな基本的なことも知らなかったよ。

やはりというか読ませどころは前半に集中。レイプ、性的虐待からドラッグ漬けのポルノ出演に至るまで、さすがにハードコア。
 これがポルノが私にしてくれたことだ。いままでの人生で感じた憤りをすべて解き放ってくれたのだ。そして、そのことは私に快感を与えてくれた。自由、平和、復讐、セックス、パワー。ついに私のエネルギーを注ぐ場所を見つけた。セックスシーンで、私は復讐に燃え、攻撃的でさえあった。完全に怒りを発散していた。たった十六歳で、私は性のテロリスト以外の何者でもなかった。
後半に描かれるポルノ出演の過去を背負いながら普通の(いわゆる「脱ぎ」のない)女優としてキャリアを積んでいく苦闘っぷりを読んでたら、むかし水曜ロードショーかなんかでやってた女刑事映画が、邦題に「トレイシー・ローズの」ってついてるにも関わらずあんまりエロくなかった理由がようやくわかった。日本じゃそういう「釣り」が通用しちゃうようなパブリックイメージだったもんなあ。

2005/05/27

『元アイドル!』 吉田豪

motoidol

吉田豪の新刊インタビュー本『元アイドル!』、これすなわち強烈! 元アイドルたちが自分の少女時代から全盛期、現在に至るまでを振り返るんだけど、華やかな話なんてほとんどなく、出てくるのはひたすら精神的にダウナーだった話やダークサイド芸能界な話ばかり。「人間不信で自律神経失調症に」とか、「ファンレター開けたら猫の死体が」とか、「賞レースは事務所の力次第」とか。そのあまりの過酷さに、ひとり分読み終えるごとに思わず「生きててよかった!」と声をかけたくなってしまうくらい。モー娘。(古いか?)みたいにプロモーションそのものがネタになってしまうご時世、アイドルの売られ方にウラがあることくらい大抵のひとは了解ずみだろう。ただ、ここに書かれてることはきっとその想像をはるかに上回るはず。とくにカネのことは「月収7万」とか「衣裳代は自腹」とか信じられないような話がたっぷり出てくるから。

個人的には元少女隊・安原麗子の、
吉田 それだけ追い込まれてたはずなのに、Vシネマでもヌードが続きますよね。
安原 だって、私が嫌がるとスタッフとか困るじゃないですか。みんな寝てないし、「君が『はい』って言わないと、俺はどうすりゃいいんだ」みたいなことをぶつけられるから(笑)。すごい怖かったですよね。もし私がこのまま消えちゃったら家族になんかあるんじゃないかとか、そういうことをどんどん考えちゃうから、やらざるを得なくて。
とか
吉田 そもそも脱いだとき、親御さんの反応はどうだったんですか?
安原 親は、私がおかしくなっちゃってるのかと思ってたみたいです。……だから大変でしたよ。安原っていうのも本名ですから実家にも迷惑掛けましたし。それで余計、帰るところがなくなったんです。「いっそ辞めてどっかに逃げよう」とか思っても実家には帰れない。それに当時はまだ1人で歩いてるとワーワー言われる頃だったから、休みの日には遮光カーテンで家の中に閉じこもるような感じで(笑)。
という箇所を読んで、ケーブルTVでやってた『新・うれしはずかし物語』を録画してオカズにするだけならまだしも、わざわざ濡れ場を抜き出してズリネタ用テープにダビってまでいた我が身を恥じた。とまあ、そんなズリネタカミングアウトはどうでもいいとしても、そういった風にぼくぐらいから上の世代にとってはメモリアルな元アイドルたちが大勢登場するので、当時の記憶とつきあわせてみるとこれまた味わい深いものがある。

それにしても、よくもまあこれだけヘヴィな話を次々引き出すこと! 吉田豪インタビューといえば、膨大なタレント本蔵書をベースにした徹底調査と相手の懐に入り込みながら同時に取り込まれもしない絶妙の間合い、それから「ダハハハ!」に代表される天才的なまでのバンプのうまさってことになるんだろうけど、この『元アイドル!』の踏み込み方にはプラスαの執念のようなものが感じられる。実は、その理由については「あとがき」まで読めばわかる仕掛けになってて――
 さて、このインタビューではそうやって事前にダメ出しされたことを除いて、こっちが勝手に自粛することなく相手が話しづらい部分にどれだけ踏み込んでいけるのかをテーマにしてみた。(中略)単なる「バカ話」や「感動話」に持っていくこともなく、何が原因で一時は精神的に壊れて、それをどうやって克服したのかを必ず聞くようにしてみたのである。
 なんでそんなことをするのかといえば、答えは簡単。ギリギリで踏み止まった側の意見が、どうしても聞きたかっただけのことだ。

とのこと。そしてこのあと、どうして「ギリギリで踏み止まった側の意見」が「聞きたかった」のか、についても明かされるワケなんだけど、それは書くのも野暮なんで興味があったら手にとって確認してみてちょ。

YO LA TENGOライブ

ヨ・ラ・テンゴ、水曜の追加公演いってきた。いいライブだったけどフィードバック音に乗って幾度となく睡魔が。早朝から上野に駆りだされて仕事してたせい。

あと恵比寿にできた新しいリキッドルームはまだ二回しか行ってないが、きっと後ろの方で観るのが吉なんだと思った。

2005/05/23

『太古、ブスは女神だった』 大塚ひかり

taikobusu

ワケあって美醜絡み、というかずばり「ブス」について書かれた本を大量に読んだ。その中で一番おもしろく読んだのがこの『太古、ブスは女神だった』。これ名著でしょ。ブスの歴史的考察という性格もあってか、他のあまたのブス本にあるような「アリバイ的自分語り」が控えめなのがよかった。もちろん最後には切実な心情が吐露されてもいるんだけど。

それにしても平安時代はすごいよ。ブスやブ男を差別しちゃマズイってのは基本的に儒教が入って以降の考え方であって、美貌至上主義と仏教思想が結びついてた平安貴族にとって「醜く生まれつくのは、前世の悪業ゆえ」だったっていうんだもん。「醜=悪」だからね。『落窪物語』にでてくる“面白の駒”ってエピソードがすごいんだまた。
 ヒロインの夫は、ヒロインをいじめた継母の実の娘と、彼を結婚させて、継母へ仕返しをする。それがなぜ仕返しになるかというと、彼は治部卿の次男という高貴な身分だが、「顔色は雪の白さにて、首いと長うて、顔つきただ駒のやうに、鼻のいららぎたる(ふくらんでいる)事かぎりなし」という異形の男。しかも「しれもの」(バカ者)で、貴族仲間にも侮られているからだ。
 彼が娘に通いはじめて三日目、披露宴の席でその正体がばれると、娘は当然のように泣き沈み、継母達は、彼に食事もやらぬなどのあからさまなイヤがらせをする。ヒロインの夫は最終的に、仕返しの埋め合わせとして、彼の代わりに、立派な男を彼女にあてがうのだが、面白の駒はただ娘に捨てられておしまいだ。「顔がみっともなく、鼻の穴から人が通れるくらい」とか「鼻の穴の大きいことといったら、左右の穴に一対の寝殿が建つくらい」などと、物語では終始、愚弄されて終わりである。
ここまでブ男を仮借なく貶めてるのもなかなかないよ。しかもあだ名が「面白の駒」て!
いくらなんでもあんまりだよ。

これが武士の時代になるとちょっと変化があって、たとえば『男衾三郎絵詞』のなかには、
三郎は女子供にいたるまで乗馬や武芸を習わせ、
「武士が美しい妻を持つと短命になるのだ。関東八か国のなかで、とびきりの見た目悪を妻にしたい」と願って、東国一のブスと結婚する。
なんていう『ブスの瞳に恋してる』(この本も最高!)みたいな話が出てくる。さすがはもののふというか、すげえ美学だな。

2005/05/19

『顔の美醜について』 テッド・チャン

anatano

テッド・チャン 『あなたの人生の物語』収録の小説。美醜失認処置、通称“カリー”という手法が実用化した近未来の話。カリーとは、
統覚的失認というよりも、連想的失認と呼ばれるものに近い。つまり、この処置は、個人の視覚に干渉するわけではなく、自分の目で見たものを認識する能力に干渉する。美醜失認処置(カリーアグノシア)を受けた人間は、人びとの顔を完全に認識することができる。とがったあごと後退したあご、まっすぐな鼻と曲がった鼻、なめらかな肌と吹き出物のある肌の差異を見分けることができる。ただ、それらの差異について、なんの審美的反応も経験しないだけである。
――ようするに顔の個体識別はできるけど「ブス」とか「美人」という価値判断はできなくなる手術のようなものが“カリー”。
こいつは深刻な社会問題ともいえるルッキズム、すなわち容貌差別をなくすことができる素晴らしいものだってことで学生たちによる“カリー”導入運動が起こった大学を舞台に、関係者たちへのインタビューという体裁で構成されたこの作品。化粧品会社が倫理団体を装って反対CMを流したり、周りに“カリー“を受けたやつがいたら美人だというふれこみですげえブスを紹介してやるぜなんて暴言を吐くヤジ馬なんかが次々に登場して語る語る。主人公の女の子は思春期の頃から“カリー”をつけて育ってて(そういう実験校に通っていた)、せっかく大学入ったらはずそうと思ってたのに“カリー”推進運動なんて「きいてないよ!」状態。おもいきってはずしてみちゃったり。
結局、学生投票の末、“カリー”導入のための美醜失認議案は却下されるんだけど、実は前日に反対派がおこない議案却下に一役買ったとされるスピーチには、声の抑揚や顔の表情、ボディランゲージなどを魅力的にみせ、視聴者の感情的反応を最大化するためのデジタル処置が施されてたっていうオチ。

形式的に客観レポートを装っているので著者テッド・チャンの考えは読み取りにくいんだけど、巻末の作品覚え書きで書いてる――
なぜ人は、美しいことの重荷という考えに、たとえば、そうだな、富めることの重荷という考えよりも共感を寄せるのだろうか? それは、美しいことがまたしてもその魔法をふるうからである――すなわち、短所を話しているときでも、美しいことは、その美しさをもっている人間に利点をもたらすのである。
はどうなんだろ? だって富めることの重荷にそれほど共感できないのは「裏でなんかやってそう」とか「腹黒そう」ていう偏見があったりするから(むちゃくちゃカッコ悪いけどな)で、それにくらべ美人てのは生まれつき避けられない運命のようなもんだと(一般には)考えられてるからじゃないのか。

関係ないけど「富めること」に対する理不尽なまでの不信感といえば、『孔子の哲学』の中で石川忠司さんが「日本人の美点のひとつ」として挙げていて、その話が興味深かった。
ぼくたちは、たとえどんな合法的手段を行使し、自らの才覚・才能をフル回転させて得た正当きわまる結果にしろ、ひとりの個人が莫大な財産を築くことにかんし、もうどうしようもない不信感、字義どおり「共産主義的」とすら言っていいスジの通った不信感を持っている。ぼくが働いている映画館のバイト仲間のマサキ君は、宇多田ヒカルが子宮を患って手術したと告げる「日刊ゲンダイ」の記事を読んだあと、しみじみとした口調でこう言ったものだ。――「カネ、儲けすぎっスよねえ……」

2005/05/15

『タカダワタル的』

watarutekiバウスシアターにて『タカダワタル的』、最終日すべり込み鑑賞。連日超満員、レイトショーでこんなに入ったのは例にないことだそうで、支配人も登場してごあいさつ。
「映画をご覧になったあといせやさんに流れる方も多いようで、あちらの方も大変にぎわってるそうで――」
たしかにいせやに行きたくなるんだこれが。きっと混んでるだろうから牛角食堂でがまんしたけど。パンフレットの中で鶴瓶が「志ん生のこんなんあったら良かったなあ」てゆってるとおり、高田渡のこんな映像が残ってよかった。

BURST』が今月で休刊。最近はどこに行ってもしぶい話ばかりだが、とりあえず前を見据えていくしかない。もっともっと腕を上げていくしかない。

2005/05/09

さかなライブ

昨夜はさかなのワンマンライブ@吉祥寺マンダラ2。毎回、長蛇&超満員の奴隷船状態だったマンダラ2ライブだけど、今回からは100人限定(英断!)ということで開演ギリギリに行ってもちゃんとステージが見えるポジション。ただいつもに比べてちょっと入り込みにくい演奏だったかも。前回観たLeteでのライブがあまりに良すぎたってのもあるかなあ。ポコペンさんがベースで西脇さんがクラシックギターという新編成を試したり、ボッサ風アレンジの曲が増えたり、サウンドが変わってゆくような兆しもあり。あとポコペンさんお腹のところにクッションのようなものを当ててた(そのせいで若干ギターが弾きにくそうな)気がしたけど、もしかして妊娠かな??

db42その後、必要に迫られマンガ喫茶で『ドラゴンボール』全42巻一気読み。DBオールナイト。かつてベジータ編まではジャンプの連載で、人造人間編以降はアニメでチェックしてて、ようするにフリーザ編だけ完全にスルーしちゃってたんだけど、なんだよあすこが一番面白いとこじゃん。アブねー、読み直してよかったよ。

2005/05/04

吉祥寺音楽祭

kichion05貸してもらった『仮面ライダー響鬼』14話分を朝から一気見。龍騎や555にあった薄暗さ(画面も暗かった)もなくって、これはもう大きなお友達でないカタギの大人でも楽しめるエンターテイメント。発砲・B・ZINの人がメインシナリオライターって、そういう時代だよ。ヒーローの一般市民的苦悩なんてデフォルトだもん。

夕方、吉祥寺音楽祭へ。西日差す中、アイランド風ラグタイム・ギターをきめる中川イサトさん。言うまでもなく高田渡翁の盟友。ホントなら渡さんもここにいるはずだった。パスカルズの石川さん(ex.たま)は、「渡さんに言われたので」、もっともっとバカになると宣言。ステージ上で着替えたり、サルのぬいぐるみをぶん回したりと大暴れ。楽しかった。

dokutuya 音楽祭終了後いったん家に戻り、宅急便受け取り。ついにHDD&DVDレコーダー降臨!! が、とりあえずそのまま玄関に放置し、今度はFourth Floorのイベントへ。ノイズをアカペラで(!)っていうノイズ合唱団がまったくもってツメ甘過ぎだったけど、その八方破れさ具合には感じるものがあったような。2時間くらいいてノイズとヒップホップを行き来しているうちに眠くなってきてしまったので、クドカン御用達の洞くつ家(武蔵家よりちょいライト)でラーメン食って帰宅。

HD/DVDレコーダー、記念すべき初録画は『ヘビメタさん』。

2005/05/01

ヨーロッパ企画 「平凡なウェーイ]

GDP、ずっと消費税3%で計算してた」って、とんだうっかりさんだなおい。でもなんかもう日本はこの路線でいいんじゃないかって気もするよ。停車駅100メートル行き過ぎちゃうとか。そういえば総理の息子・孝太郎なんて、こないだのヘキサゴンで正解が「ジャクソン5」のところを「サノバビッチ」って答えてたからね。軽く人の名前かなんかだと思ってたからね。

ヨーロッパ企画「平凡なウェーイ」観てきました。こち亀みたいなセットで繰り広げられる桃唄309みたいな芝居。いい意味でずっこけました。幅広い層にアピールするんじゃないでしょうか。過去公演の映画化も納得。

2005/04/28

愛の渦

日曜日に観たポツドール『愛の渦』(@新宿THEATER/TOPS)、すごくよかった。一夜の乱交パーティの話。カンパニー松尾のHMJM作品『オークション01/02』に近いものを感じた。エロくて可笑しくて哀しくて、しまいには妙に晴れ渡った気分になってしまうあの感じ。パーティ・イン・ザ・ザラザラナイト。

origami0424 『愛の渦』を観たその足で、HOOD/降神/asuna/mas(@渋谷o-nest)のライブへ。一番のお目当ては降神。アルバムは昨年のベストに入れるぐらい愛聴してたのだけど、ライブを観るのは初めて。シアトリカルな多声的HipHop。某誌で自分が『鉄コン筋クリート』のシロとクロになぞらえて紹介したのも大げさでないほどの緊張感&切迫感。一緒に行ったmikaihooくんによると会場がアウェイゆえちょいよそ行きなテイもあったらしいけど、それでも十分もってかれた。

hood0424 初来日のHOODは音源で聴くよりもアグレッシブな演奏。左きき用ギターを逆さにして弾いたり。でもでもクールなトーンは一貫してて、あんまり他にないような類のサウンド。カッコいい。

あ、あと『ウタモノの夕べ』来てくれた方々ありがとうございました。懲りずにまたやるような話も出ております。

ではでは指パッチンの練習をするので、また。