2004/10/03

『居場所もなかった』 笙野頼子

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久々に更新。この間なにをやっていたかというと、部屋をさがしてた。笙野頼子の『居場所もなかった』は著書のない肩書き「小説家」の独身女性があのバブルの狂騒の中、5万円台でオートロックの部屋をさがす話。あとがきで「これは小説ですか――。はい、純文学実験小説です。」とわざわざ書いて、ご自身の「90年代難解派」というレッテルを自嘲的に皮肉ってる(と、ここに書いてあった)のがおかしい。私がはまった部屋探し地獄、それはいつしか「不動産ワールド」と化し、店の名前も「幻想管理サービス」に。幻想的営業をもってする不動産屋との不毛な交渉の末、ようやく入れたのはすさまじい騒音が凶暴なバケモノのように生活に侵入してくる部屋だったりと、なんとも圧倒的なしんどさ。それに引きかえこちらはというと、決めたと言っておきながら翌日に翻したのが実に四度、そのうちの二回は申し込みまでしておきながらのキャンセル、というどちらかと言えばお前が幻想的客だよというありさまで、「ついに決めた」とそのたびにディテールを聞かされた友人たちに愛想を尽かされるのも必至。でも今度こそは決めたから。みなさん遊びに来てくださいね。