2004/07/18

卒業文集は「マック・クリハラ」についてでした

K-1韓国大会を地上波観戦。レバンナとボヤンスキーが豪快に勝ち、曙と朝青龍兄がしょっぱい敗北ということで、K-1の原点回帰宣言をリング上でも印象づけた(あくまで印象にすぎないけども)という感じ。
もともと3試合2億円契約とも噂されていた曙関は今回が3試合目ということで、お疲れ様でしたってことになるのかな。本人は次もやる気のコメントを出してるみたいだけど、視聴率では十分に貢献もしたし、もういいよ。なにせ実況アナが「曙は普通の構えからのパンチは体格に合わない(!)ので、今回は自分に合ったパンチを見つけてきたそうです!」ってそのヒジを伸ばしたままぶん回すフック、あの伝説といわれたミッキー・ロークの猫パンチそっくりなんだもの。

ミッキー・ロークといえば、ずっと昔にもそんなこと書いたなー、という気がして、記憶を辿ればかれこれ10年ほど前、高校の卒業文集に「ミッキー・ローク強い」とか書いてた。
これ引っ張りだして読んでみたら、懐かしいとかそんな感慨以前に書いてることがいまとほとんど変わらない、つうか10年近く経ってるのに精神的な成長の跡がほとんど見られないということが明らかに。
しかも2、3ヶ月前、某雑誌に「曙が勝てる格闘家を探せ」というコラムを書いたのだけど、それがほぼ同じ構成(カードを3つあげてちょろちょろ解説みたいな)だったのには、さすがに苦笑いするしかなかった。

極私的に興味深い資料だったのテキスト起こしてみました(小一時間かかった)。
これを読めば1995年あたりから現在に至るまでの格闘技界の状況が丸わかり!(ウソです)

■▲工業高校第●期卒業文集
「マック・クリハラ」

先日、辰吉VS薬師寺のタイトル戦をテレビで観た。打たれても打たれても倒れない辰吉。明大ラグビーのごとく前へ前へ出る薬師寺。どちらも素晴らしいファイターだったが、それ以上にオレのハートにカチくらわしたのがヤス(薬師寺)のセコンド、マック・クリハラ氏である。

マックはご存じの通り薬師寺のトレーナーであり、ツッパリ・マック(FMW所属)とはなんの関係もない。だがうさんくささでは負けていない。なにせマックの容貌ときたら、映画『ベスト・キッド』のミヤギ老人クリソツなのである。それもそのはず、マックはミヤギ老人役ノリユキ・パット・モリタの従兄弟なのだ。
そして、抜群のマック語録をひもといてみれば、
「辰吉? バカ。ヒーイズバカ。当日は奴の両目を潰してやる!」(「朝日新聞」)
おいしい! おいしすぎる。
しかも試合前々日には「辰吉は薬物使用の疑いがある」などと爆弾発言をかまし、関係者及びマスコミを大混乱させてしまうこまったちゃんぶりも最高なのである。

当然試合中も黙っていない。テレビ越しに「ロッケンロー! ロッケンロー!」の叫びが聞こえてくる。丁寧にも「クリハラ氏はインターバル中、ヤス、ロックだ! ロックのリズムだ! とさかんに言ってました」というレポーターの解説まで入る。試合後半に至っては「お前がチャンピオンだ! ミスター・チャンピオンだ!」と薬師寺に言い聞かせる。
そう、これはもう『ロッキー』だ。
昔から『ロッキー』はボクシングのプロレス的解釈などと言われるが、日本人ボクサー同士の初の世界タイトル戦というシビアな世界にマックをぽんと放り込むことによって、試合はどんどんプロレスチックになってしまった。もともと辰吉のパフォーマンスだってキャラクター的と言えなくもなかったが、そこに井上京子ほどの濃さはない。だがマックは将軍KYワカマツを越えてしまっている。たとえ拡声器がなくてもだ。

オレはボクシングのことはよく知らない。だが、ものの本によるとマックはこれまでに世界チャンプを3人も育てている名トレーナーであるらしい。そのトレーニングは超スパルタで有名とのことだ。
しかしそんなことはどうでもよい。マックはもう大物悪役マネージャーなのだ。ヒール・ヤスとマネージャー・マックにとって、片眼に爆弾を抱えた超人気者(辰吉)という完璧なベビー・フェイスを迎えたあの試合は、最高のヒノキ舞台であったに違いないのだから。

マックにはもっともっと格闘技界を掻き回してほしい!
というわけで、マックの持ち味が最大限に発揮されると思われるカードをいくつか提案してみたい。(ちなみに<>内はマネージャー)

ヤス <マック> VS キモ <ジョーサン>
これはもうズバリ、マックとジョーサン、謎の東洋人マネージャー同士のリング外でのやり合いが目玉。ラッキー(?)にもグレイシー柔術を潰してみせたキモ&ジョーサンにマック&ヤスはかなり苦戦を強いられるだろう。体重的にもキモ有利は間違いなさそうだ。

ヤス <マック> VS ミッキー・ローク
誰も異存はないと思うが、ミッキーはかなり強いらしいのでいい勝負になりそうだ。そして試合前のマックのコメント、
「あいつの顔をジョニー・ハンサムにしてやる!」
これぐらいは当然言ってくれるだろう。

ミヤギ老人 <マック> VS 全盛期のウィリー・ウィリアムス <黒崎健時>
この試合は、USA大山空手を観戦したマックが、「キョクシンよりもワタシの従兄弟パット・モリタのほうが強い」とうっかり口を滑らせてしまったことに端を発する。
試合中ウィリーのセコンドには極真空手の猛者がずらっと並び、マックを睨みつけている。この険悪なムードの中ゴングが鳴るわけだが、見所は、ミヤギ老人の『ベスト・キッド1』でみせた鶴の型、同じく『ベスト・キッド2』でみせたデンデン太鼓の型が、“熊殺し”ウィリーに通用するかどうかにつきる!
ちなみにミヤギ老人が負けても、弟子のダニエル・ラルーソがマックの超スパルタトレーニングを受け見事カタキを討つという感動のストーリー『ベストキッド4』という手もある。

と、3つ挙げてみたが、やはり一番良いのはヤス&マックのUFC(アルティメット大会)参戦であろう。ヤスも元特攻隊長ということなのでスタイル的にも問題なしだ。マックにはぜひジョーサン以上のインパクトを残すことを期待したい。
最後に、マックのビッグガイぶりを偲ばせるインタビューが新聞に載っていたのでひとつ。

――試合(辰吉VS薬師寺)は名古屋で行われますが。
マック「名古屋は大好きだよ。恋人がいっぱいいるからさ」